上の画像は、40年位前の明治座の歌舞伎屋号の皿。「秋の山」十個を盛り付けて。
今回はあえて「あんなし」です。
タイトルに偽りあり、じゃないかというご指摘はないものとして!
あん入り があるにも関わらず「あんなし」です。
子どもの頃から
お墓参りの浅草四大おみやげ(母方のお寺さんが浅草寺町です)
が「入山煎餅」、舟和の「芋ようかん」、「切り山椒」そして「人形焼」でした。
父が、(私のDNAのはなしになりますが、笑)
大変あんこ菓子、特に上生菓子でなく朝生菓子が好きでした。
好物は、三笠山とあんぱん、それに「人形焼」。
でも人形焼きは「あんなし」。
どういうわけか、これは私も含めて家族全員「人形焼はあんなし」派。
(今でも家族全員があんこ&和菓子好きで、この三つは好物です。)
和カステラと言われるように
生地に牛乳やバターを全く用いない(和カステラ製法とよばれる)による人形焼。
普通のカステラはしっとりし過ぎて、いただきもので充分なんですが
和カステラの人形焼は、ぱくっぱくっとはね返すような歯応えとさっぱりした味わいがついつい後を引きます。
と、こうして書いているだけで我慢できずに「ぱくり」、うまっ。
浅草仲見世には、数多くの人形焼の店がありますが
じつは一番好きだったのは
母が明治座の観劇の際に買って来てくれる、
人形町亀井堂(中央区 日本橋人形町2-20-4不定休)の「秋の山」(東急本店にてあんなし一袋11個入り619円)です。
甘酒横丁の本店では最初に売切れてしまいます。
今では材料の表示もあるので
確かに「砂糖、小麦粉、卵、蜂蜜」とすごくシンプルな事がわかります。
重曹(膨張剤)も使っていません。
どら焼きは(例えばあの、うさぎやさんも)重曹で膨らませているのですが、
こちらはさらにシンプルです。
この歯応えがおいしさのひとつです。
↓あんなしは端の方が(好き!)に気泡が入って歯応えとふわっと感、両方楽しめる。
縦二つ割のバナナと茄子
人形町亀井堂は
最も東京で歴史ある人形焼、瓦せんべいのお店で
約百三十年前、神戸元町に創業した亀井堂総本店より、
昭和四年にのれん分けされたのがこちら。
浅草のおみやげがあん入りの方だと皆ちょっとがっかりしながら
「あの野菜の形のあんなしの方がおいしいね」と、
お店の事なんか知らなかったけど。
そうです、この野菜の形がまたまた、とてもキュートなんです。
人形焼のほうは中にあんの入る都合上、ちょっとごつくて塊なかんじだけど、
こちらは細くてもでこぼこしてもきれいな形になるので
筍、ぶどう、なす、きうり、バナナ(秋の山だけど)瓢箪、とどれも
おいしそうなフォルムです。
↓「カステーラ焼 あんなし」のコピーも素敵。
ところで
我が家は何故、人形焼は「あんなし」が好きなのか?
それはこの生地のおいしさをストレートに味わいたい。
でもおいしさがさっぱりと素朴(玄人好み、と商品説明にあります)なので
あんこが入るとあんが勝ってしまいます。
素朴、を洗練されている、と言い換える事もできるけど。
それから中にあんが入ると噛んだ時に
「ぱくっ」とした歯応えが均一に最後まで楽しめないからでしょう。
ちなみにあん入り(賞味期限?)は通販してるけど
あんなしは賞味期限は5日位で店頭販売だけです。
日本料理店を営んでいた父は素材の味が楽しめるものを好みました。
何だか急に「あんなしのお菓子」のことを書きたくなって自分でも不思議なんだけど、
気がついたら
今度の日曜は父の日です、びっくり。
ねらってないんですが。
いつもは、お供えは和菓子ですが、たまにはこのあんなしの人形焼にしようかな
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私のお店はいつか公開します!笑。理由がないけれど恥ずかしいので。笑。待っててください。私はあんころりんさんとは会いたいです!いろんなところに食べあるきしたいです!そういうお友達がいないのであんころりんさんとの会話が毎回楽しいです!
例によって二つ割り写真にみょうにワクワク反応してしまっております(笑)
合います、牛乳と!
&ではいつの日か、公開を待って(笑)
生栗さんのサイトは可愛くてたくさんのコメントが寄せられていてとても充実してますよね。
こちらにもキュートなコメントとてもうれしいです。ありがとう。
いつの日か、わん君たちと大福もってお散歩ですね
そーなんです。ご存知でしょうけれど、あそこの諸国名産はかなりあなどれないですよ。とてもマニアックというか。
たぶんkozueさんも「ツボ」(笑)かも・・。
昔から分解するの好きなのよね〜。あと俯瞰とか側面図とかの写真も。でも”断面好き”ってSなのかMなのか・・あぶない私です。ワクワクするkozueさんは果たして?(失礼!)