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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2005年06月17日

6月は「水無月餅」と たまには 読む”あんこ”「食いねえ あんこ菓子」

大福 290.jpg

六月は一般的には梅雨だし
何せ「祝祭日がない」!
地味な月ってかんじですね。

ところが
和菓子にとってはなかなか盛りだくさんな月なんです。

まず6月1日は衣替えで「更衣」。
実は衣替えをちなんで作られる和菓子もあって
かの虎屋などはなんと3日間限定!のピンポイントで
そのものずばり「更衣」というお菓子を出してます。
今年私は5日に行って、もちろん入手できませんでした。とほ。

次に
このページを読んでくれている人はご存知の方も多いでしょうけど
昨日、6月16日は「和菓子の日」でした。
旧暦6月16日の嘉祥という行事にちなんで和菓子協会で決めたようですが、
嘉祥菓子を出す和菓子屋さんも(もちろん虎屋も)あります。

江戸時代に嘉祥は盛んだったそうで、
すごいのが
江戸城の大広間に約2万個!!の菓子を並べて
将軍から大名・旗本に与えたって言いますから
相当盛り上がったイベントだったんでしょうね、しかし2万個って。
見てみたいです・・・。

そして朝生菓子にとっては
重要な水無月餅(みなづきもち)の季節です。
上半期の厄難を除く「水無月祓」
または夏越 (なごし) の祓
が6月30日に行われるので
6月には
昔からこの「水無月餅」を食す習慣があります。

最近は町の和菓子屋さんで作るところは少なくなりましたが
母の時代の下町では「小豆の赤が厄除けになる
という夏負けしない為の縁起物ですから
6月に一度は食べておく、という粋さ、があったようです。

私もしっかり先週いただきました。

大福 177.jpg

↑幡ヶ谷「心庵梅むら」の水無月(180円)。
小豆にういろう のもちっと感でさっぱりおいしいです。
うぐいす豆バージョンも。こちらは黒糖風味

それで今回は嘉祥と水無月祓に敬意を表して
あんこ」を読みましょう。
和菓子には上に挙げた様にさまざまな興味深い背景があります。
身近なお菓子のウンチクから
下町の老舗の由来など
ほんとうに興味が尽きる事はありません。

私はそんな話を聴いたり読んだりするのも大好き!
そこで私が実際に読んで面白い、と思う本を何冊か紹介します。
梅雨で出かけるのも億劫なとき読んでみたらいかが。

まずは
仲野 欣子さんの著、そして飯島 満さんのイラストによる
食いねえ「あんこ菓子」―江戸ッ子の腕まくり
は浅草生まれの歯切れの良い下町っこの和菓子の話。

大福 302.jpg

楽しいけれどめちゃめちゃ濃い内容です。
中心となるのは「饅頭」「餅菓子」など親しみやすい和菓子の話。
菓子の歴史から、
老舗のご主人の話、うんちく、
また実際に職人さんに手取り足取りでの和菓子作り。
また素材について、季節との関わりから、多彩なコラムetc etc・・

本当にどこを切っても面白い。
内容は
「菓子を知る」「饅頭とらの巻」「餅菓子勢ぞろい」「菓子あれやこれや」の4章から成る。
各章また細かく内容が分かれているので
(例えば、「はじまりはあったか大福餅」「葛餅は門前町のやれ一服」などなど)
どこから読みすすんでも飽きる事がありません。

飯島 満
さんのイラストもとっても魅力的です。
これで142ページ、1460円 (雄鶏社刊)は安かった。
超おすすめの一冊です。

では長くなってきたのでこの続きはまた。


【和菓子の最新記事】
posted by あんころりん at 21:02| 東京 🌁| Comment(7) | TrackBack(1) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうなんですねー6月は盛りだくさん!

せめて私も水無月つくりたーい!!
でもまだ忙しくって・・・(ノ_δ。)

あんころりんさんのblogを眺めて、イメージトレーニングだけしときます!

Posted by あずきらいふ at 2005年06月22日 23:34
はじめまして
コメント&TBありがとうございました!

実はいままでに密かに何度もおじゃまして楽しませていただいてたんですよ。
思いがけずコメントいただき、感激しております。情報が盛りだくさんで、いつのぞいても驚くばかり。今回ご紹介の仲野欣子さんの本、ぜひ読んでみようと思います。あ、「和菓子で楽しむ東京散歩」は読みました。これまたおもしろい本ですよね。新しい記事がすぐ読めるようにリンクさせていただきます。よろしくお願いいたします。
Posted by pecochan77 at 2005年08月13日 11:53
☆pecochan77さん
わざわざ来ていただいてとても嬉しいです!!
ありがとうございます。
『・・東京散歩』は面白いですよね、こちらもおススメです。pecochanさんのサイトも知的できれいでこれからは訪問するのがとっても楽しみです。
よろしくお願いします。リンクさせていただきます。
Posted by あんころりん at 2005年08月13日 17:09
『和菓子で楽しむ東京散歩』の著者です。(現在は名前を変えて活動中です)

たまたま書名で検索して、ここにたどり着きました。
「おすすめ」に挙げてくださりありがとうございます。
温かいコメントも、とても励みになります。ありがとうございます。

最近はdancyuなどで和菓子記事を書きましたが、また和菓子本を出したいなと思っています。

この本、最近は書店で見かけませんが、Amazonなどでは送料無料で簡単に手に入りますので、今後とも「おすすめ」のほう、どうぞよろしくお願いします。
Posted by 宮澤やすみ at 2006年07月14日 00:24
こんにちHA。& 初めまして。
雨漏り書斎主人と申します。
pecoさまのブログでちょくちょくお見かけしていますので、他人とは思えません ww

このたび、宮澤やすみサンから、T.B、コメントを頂き、こちらでも「和菓子で・・・」を紹介されてると聞き、お邪魔してみました。
オススメ本では、「食いねえ・・」「和菓子屋の息子」を読了しています♪

雨漏りするボロ家の書斎で読むのは、和菓子の本が増えてきましたww

また寄らせていただきます。
Posted by 雨漏り書斎主人 at 2006年07月14日 11:33
宮澤やすみ様
こんにちは、はじめまして。
と言ってもこちらは著書を読ませていただいているので「初めて」という気があまりしません。
コメントとTBありがとうございます。
著書はことある毎に拝読しております。
私自身ブログタイトルに掲げているように「和菓子屋さん」が好きで直接本店などに出向く事を楽しくそして、大切に思います。
付近の様子やお店の「温度」など足で知る楽しさを書いていらっしゃる著書には失礼ながらもシンパシーを感じつつ敬服しております。また読むたびに気持の収まりの良さに「すっきり爽快」感を得させていただき毎度感謝しております。
dancyuにもお書きになってらっしゃるとは迂闊にも存じ上げず。読ませて頂きたいと思います。
わざわざお越し下さってありがとうございます。またの機会にもどうぞお寄り下さい。嬉しく思います。

Posted by あんころりん at 2006年07月14日 16:33
雨漏り書斎主人 さま
こんにちは、はじめまして・・ではなく以前コメントを一度いただき、リンク先不明でそれきりになり大変失礼しておりました。
宮澤さんの著書が縁でまたおいで下さり嬉しく思います。徐々に外出が辛くなるこの季節、本が増える今日この頃収納のことは忘れて読書にふけりたいものです。でも雨漏り書斎ご主人さんが一体どれくらい蔵書してらっしゃるんでしょう。またそちらにもゆっくり伺わせてください。これからもよろしくお願いします。
Posted by あんころりん at 2006年07月14日 16:41
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Excerpt: 書名でネット検索してみたら、いろんなブログで紹介してくださってるじゃないですか。これはうれしい。みなさんありがとうございます。 わたしのデビュー作 『和菓子で楽しむ東京散歩』。 和菓子のおいしい町..
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Tracked: 2006-07-14 00:07
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