クリスマスイブイブの12月23日、
どうにか年内すべりこみセーフ!第2回「わがし甘党の会」を・・・
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・・・開催できました。ほっ。
穏やかな冬の日差しのなか、笹塚区民会館の和室に集まったのは22名。
うち初参加の方は6名で、いずれにしても22名全員が大の和菓子好き。
初参加さんも、再会を喜ぶリピ参加さんも、持ち寄った宿題(難問)の和菓子をきっかけにおしゃべりに花が咲く3時間少々。
しきりの悪い主催者を攻めることなく、みんなピカピカの笑顔でさまざまな“あん”のお菓子を頬張っていらっしゃいました。
この日、会でご用意したお菓子は次の四品+ひと品。
・名古屋「亀広良」から冬の銘菓“うすらひ”
・富ヶ谷「岬屋」から“蜜栗”
・逗子「こよみ」“丹波(春日)大納言のお汁粉”と鎌倉「麩帆」の“粟麩”の共演で“粟麩しるこ”。
そしてそして。
・逗子「こよみ」によるこの日のためだけに特別調製した「全粒粉のどらやき」!
北海道産小麦全粒粉を5割以上使った生地にほぼ渋を切らずに仕上げた粒あんを挟んだ、チャレンジ魂あふれるひと品。
このどらやきについては後日、別項で書く予定ですが、ホントにご厚意だけで短期間のうちに予定変更、紆余曲折、さまざまな材料を使い、試行錯誤を重ねていただいた特別などらやきなのでした。
もうひとつは
会員のまえばしさんとTMさんがご提供くださった、
世にもレアなあの吉祥寺「おざさ」の羊羹。
なんと夜も開けぬ午前2時に起きて購入されたという、それはそれは貴重な逸品も登場しました。
撮る前に食べてしまった・・・残りひとくちで慌てて撮影
さて。今回のテーマは「和菓子食わず嫌いの友人へのあんこもの」。
種類を問わず、好きなものを各自1000円程度で持ってきてね、とお願いしたところ、これがまあ各自各様。
ひとつとして重なることはなく、それぞれが魅力あふれる和の菓子を持参してくださいました。
テーマを設定するにあたり
「参加者が頭をヒネるテーマ」と「それぞれの反応が異なるであろう」という出題者の意図がありました。ワタシ自身、こういった質問を世間話のひとつとして受けることもありますが、自らそういった努力をしたことは皆無。
予想に違わず、なかにはちょっぴり拒否反応を示す方も。ま、そんな思いがけない反応も楽しいものです。
というわけでお菓子。
トップバッターのおおたさんがお持ちくださったのは
茗荷谷「一幸庵」の“こしANN”と富山県八尾「高野屋商店」の最中種“もなかの『も』”。
粒あんは大好きだけど、こしあんをあまり好まないというおおたさん。
ですが「これは!」とお気に入りに加わったのが茗荷谷「一幸庵」が通年販売するこしあんの瓶詰め(→「一幸庵こしANN」。
それに併せていつでもできたての口あたりが楽しめる最中種を選びました。
ご本人曰く(パリッと感が失せた最中の皮が好きでない)。
おそらく最中が嫌いなヒトも同じ理由と推察し、食べるタイミングに合わせられる別売りの皮と餡を用意。
なめらかなこしあんをさっくり香ばしい皮に乗せていただけば・・・
なーるほど、ちょっとしたフィンガーフードに早変わり。説得力ありますね〜。
“もなかの「も」”は昭和25年から最中種製造を専門に営む高野屋の品。地元、富山県産新大正餅米を使った本格最中種でノーマル皮と黒胡麻を練り込んだ淡い墨色皮の2種ミックスでした。
ふじたさんがお持ちになったのは餡はあんでも栗餡のお菓子。
栗の名産地、八百津から「緑屋老舗」の“栗玉だれ”。
じつはふじたさんご自身もこの栗玊だれ、見るのも食べるのもこの日が初めて。
知人の(とっても美味しいお菓子)という話から、ぜひともこの機に手に入れたい、と取り寄せてくださいました。
元祖栗金団として知られる「緑屋老舗」はワタシも好きでこちらでみの栗や栗白寿柿を紹介しており、収穫後、間もない地元の栗を使ったお菓子は際立って風味がよく、しかも栗菓子の有名店に比べればお手頃。
そんな緑屋老舗の栗餡を求肥で巻いたお菓子が“栗玊だれ”。
栗きんとんよりほんの少しだけ甘みが深く、しっとりと柔らかな口あたり。栗の風味も充分楽しめます。
これ、きっと「餡こ」だって思わないで召し上がれるほど、あっさりとして食べやすい。
しかしもったいないので“和菓子食わず嫌い”の誰かの口に入ることはないだろう(笑)。
ちなみに和菓子の百科事典、和三坊主さんもこちらの栗きんとんを絶賛してらっしゃいますが「現地まで赴き、つくりたてを食べて」と高いハードルをご提示(笑)。そう、八百津は決して交通の利便性が高いとは言い難いのだ。
かわもと(き)さんは前回に引き続き、縁もゆかりもない(?)仙台の「白松がモナカ本舗」から“最中盛り合わせ”。
大納言小豆、黒胡麻、大手亡豆(白)と三種類の餡、それぞれの最中の詰め合わせを選んだワケは「小豆だけでないので、気に入ったものが見つかるかも」。そして、首尾よく気に入ったなら百貨店などで入手もしやすい、とご本人の気の利くお人柄も感じられるチョイス。
なるほど、豆類を好まない方も胡麻餡なら抵抗なかったり、あるいはとりわけ欧米人にとって、黒くて甘い豆、っていうのがありえない、という場合も白あんはギリギリセーフ。
ふる〜〜い話になりますが、かつて英国エリザベス女王来日の折に和菓子の調製を担ったかの「末富」山口氏は、その理由から白餡ベースの上生菓子を献上してたんだよね。
どのみち、この日はあんこなら底なしに楽しむ22名が堪能。
個人的に2011年には本店を訪問したりと、幾度も口にした「白松がモナカ」。久々でしたがやはり美味しい。米処の宮城はいろいろなお菓子が上質です。
今回の記録係を担当してくださった
かわもと(ひ)さんが選んだのは名古屋「川口屋」のもろこし羹。
ご本人によると
「本来ならあんこ嫌いの人にはあんこはお勧めしないのがポリシーです。が、今回はゲームとして考えます。
前回話したようにあんこ嫌いでしたが、唯一食べられたのがあがり羊羹。こちらはあんこ特有の重さがないから。同様に小豆あんを使いながら卵白を使って食感を軽くした」
もろこし羊羹を選んだのだそう。
こしあんの淡雪羹、といった口あたりのこちら、愛知県内では「松華堂」などいくつかの菓子屋で調製していますが、川口屋では12〜3月までの短期間だけの調製。ワタシ自身もこちらにしつこく書くほど、好きなお菓子のひとつです。
見た目もふんわりとした小豆アイスのようで、そして何よりも口どけが軽く、そして美味。
ま、関東では入手し難い品なのでこれもあんこ好きだけで食べてしまうことでしょう(笑)。
あつこさんがお持ちになったのは、目黒「さか昭」中町だんご、酒まんじゅう、茶饅頭、栗むし羊羹。
・・・っていうかどう考えても完全に予算無視(笑)の大量投入。
ご本人は幼少のみぎりから抹茶と上生菓子に慣れ親しみ、いまなお何よりも好き、という和のお菓子。
あんこ嫌いの方は、親しみやすいお菓子から入っていただければ、と、地元の和菓子店から名物だんごと口あたりのよいおまんじゅうを選びました。
さか昭は派手ではありませんが、朝生菓子、上生菓子の双方をしっかりとつくる、稀少なお店。米からつくるおだんごや、白小豆の黄味時雨、杵つき餅の苺大福なは、ほんとにおいしい、とこちらで紹介しております。
やましたさんは谷中「㐂久月(喜久月)」の銘菓“あを梅”を。
じつは職場に和菓子苦手な方がいらっしゃって。その方にもオススメできるのが味噌餡を柔らかい餅で包んだこのお菓子。味噌餡なら食べ慣れない方も召し上がりやすいし、なかでも“あを梅”は小ぶりで口あたりよく、見た目も愛らしいから、とのことでした。
名店の誉れ高い「㐂久月」ですが、このブログの記事をご覧になったのが初訪問のきかけ、とのこと。そんなお話を伺うたびに、書いてよかった!と心底嬉しくなります。いやはやもっと頑張って更新せねば。
初参加のとばさんがお持ちになったのは阿佐ヶ谷「菓人結人」の“いちじくとラムレーズンの黒糖羊羹”。
あんこ食わず嫌いはまず騙すしかない(笑)とそれらしくないものをチョイス。
ドライいちじくとラムレーズンがたっぷり混ぜ込まれ、ベースの羊羹も黒糖が効いているので、目にも舌にもあんこ感が希薄。これはワインなど洋酒にも相性が良さそうですから。辛党の方にもイケそうです。
長くオイラの講座に参加されていたとばさん。ここ数年、和菓子づくりを学ぶ方に力を入れておいでで、現在はそちらを中心に勉強中。
このブログでは長いお付き合いのkozueさん。念願かなって初の参加となりました。
料理上手で、パンも洋菓子も和菓子にも造詣の深いこの方がお持ちになったのは赤坂「塩野」のどらやき。
曰く、生地はふっくらとベビーカステラのようで、粒あんは主張をせず、存在感が希薄。
食べ終わったときに「あれ?あんこ食べたの?」と思うほど、餡の印象の薄いどらやきだから、と持参されました。やや自虐的な説明の後で頂くと「なんだ、美味しいじゃん」(笑)。ワタシ自身、塩野のどらやきは嫌いではなく(とこの記事で書いてる)。さらに塩野のオーブン焼菓子と半生菓子はもっと好き。
近頃は島根「桂月堂」で伺ったお話を基に、ひとつのお菓子をお茶と共に、朝に少々、昼に少々と召し上がる、というkozueさん。自身の「とべないとりのおいしいブログ」も好評更新中。
和菓子礼讃の管理人として知られる和三坊主さんは
「あまり深い意味はないけれど、通常の小豆餡でないものはどうでしょう、ということで、柚子餡のお菓子」をお持ちくださいました。
南紀白浜には5軒ほど柚もなかを扱う店があるそうで、なかで有名処ではないけれど個人的に一番気に入り、そして人数分を配れるほうが良いでしょう、と土佐屋の柚もなかを選ばれました。人差し指大の愛らしい最中ですが、どう考えても驚くべきお手頃価格。紙で包んだルックスもナイスでしかもホントに美味しい。おみやげとして選ぶにはベストのひとつではなかろうか。さすが、エンサイクロペディア(と勝手に呼んでる)オブ和菓子。
初参加のたかはしさんは撮影担当のめさきさんのご友人。
ブログからお申込みいただき、当選された強運の持ち主がお持ちになったのは、茗荷谷「一幸庵」から“あざぶ最中”。
通い始めた頃の茶の湯の教室に近かったことからお店を知り、以来、贔屓にされているのだそう。
“あざぶ最中”は板状にした大粒の能登大納言粒あんと最中種をセットにした定番の品。四つ折り型の皮に板状粒あんを挟めば、手できれいに四つ割り可能、。好きなお店の粒あん最中、会の皆さんに召し上がっていただけることも選んだ理由のようです。
ながいさんは生まれ故郷、山口から「豆子朗」の“生絹豆子郎”(すずしとうしろう)を持参。
「あんこのこってりさが敬遠されやすいかと思うので、さっぱりとした味わいのものを」選びました。
関東圏で外郎と言えば、名古屋や小田原、あるいは伊勢あたりの品が流通していますが、山口には蕨粉(と小麦粉)を用いた外郎が知られています。とりわけ、“生絹豆子郎”はなめらかであとくちもあっさり。米粉ベースの外郎が苦手な方も豆子郎は好き、という方は少なくない。これならあんこ食わず嫌いもうっかり(笑)食べてしまいそう。
現在、山口以外での販売のない“生絹豆子郎”。
通販なども熱心ではありませんが、そこを今回は本店に直接電話交渉で(郷土愛を前面に押し出し)送ってもらったという、稀少な逸品。
初参加のこばやしさんは、次に紹介するまえばしさんのご友人。
鶴屋吉信の「つばらつばら」をお持ちになりました。
ご本人曰く「和菓子を詳しい訳ではないのですが、自分が一番好きなものということでこちらを選びました」。それはひとつの正解かもしれません、好きなものに対する気持ちって一番伝わりやすい・・たぶん。
ここまでで、やっと半数をご紹介しました。
あまりにも長くなるので、続きは明日の更新をお待ちくださいませ。
大丈夫、ちゃんとアップします。
では、ではまた数時間後にお会いしましょう〜。
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あらためて記憶を整理することができて、本当に助かります。
後半を楽しみにしております!
先日は参加ありがとうございます!
みなさま、それぞれ興味深いエピソードを話してくださったんで、聞きっぱなしじゃ残念ですものね。
後半もアップしましたー。
ほんとに残念。宿題抱えて次回の参加をお待ちしてます。だからなんとしても次回を実現せねば。
大食倶楽部さんなら何を持ってきたのかなあ。