豆大福は搗いたお餅にフクフクとした赤えんどうをたっぷり
旬の枝豆をたっぷり使ったフレッシュな枝豆大福も本格餅でつくる
品好く気の利いたしつらえ
念願かなって、ようやく訪問が実現しました。
「かもかし」は折々の季節に寄り添う菓子をこまめに、
そして丁寧にこしらえる・・・
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・・・菓子店です。
静岡県清水区にあるお店は4月に5周年を迎えたいま、
その味のよさと端正な菓子づくりが定評になっています。
お店を開く際に、大福などの餅菓子もつくりますよと訊いて(これは行かねばっ)と思いつつ。
日帰りできる距離なのに5年も経ってしまった・・。
さておき。
柏餅のあとに登場する“枝豆大福”が今年は6月2日で終了と知って、ようやく出かけました。
一年365日、こんな具合に季節と寄り添うことに心を砕いて、手間と暇を惜しまない、というのは簡単なことではないでしょう。
(余談ですけど栗むし羊羹が3月まで、柏餅が6月まで・・なんてお店がザラですから)
お店の最寄り駅は草薙のお隣「県立美術館前駅」。ここから徒歩2〜3分です。
落ち着いた佇まいの引き戸を開ければ、中の設えがこれまた気が利いていて。
若い店主ご夫妻の感性に、おのずとお菓子への期待も高まります・・。
「きれい〜!」思わず叫んでしまったほど。
豆大福、枝豆大福の端正な姿と言ったら・・。
ホントにまんまるで、ポコポコと顔を覗かせる赤えんどうや枝豆たちの愛らしさがたまりません。
そのままペットとして飼いたいくらいだ。
どちらも、その日の朝に餅米を蒸して搗いた本格的な搗き餅。
餅米には新潟産わたぼうしを選んでいます。
“わたぼうし”ってしっかりとしながら、ふんわりとなめらかなのが特徴だったような。
豆大福には十勝産小豆を白双糖で炊いたこしあんを、
枝豆大福の枝豆あんは、旬の枝付きの豆を茹でて裏漉ししたもの。
既製の(製餡所などでつくった)“ずんだあん”を使うことはありません。
餅には塩味の枝豆が混ぜ込んであります。
こんなふうに変わり餡だけでなく、たとえば麩まんじゅうの生地なども出来合いのものでなく
ひとつひとつ手づくりすることで、本当の素材の美味しさを伝えることができるのでしょう。
“手間暇を惜しまない”。実行するのは大変なことだと思います。
ともあれ。
昨年もFBに掲載された枝豆大福を見てときめいたのですが、
可愛らしいまんまる大福の集団を目の前にして、気持ちはあがるばかり。
さっそくいただいたところ
豆大福のお餅は歯ごたえがよくて、口あたりはなめらか。
餅生地そのものの味にも感激しつつ。
混ぜ込んである赤豌豆がたっぷりなのが、とっても嬉しい。
豆とお餅のバランスがまさに好み。
中餡の甘さがごく控えめで、あっさりとしていて
夏の間もおいしくいただけそうです。
そして念願の枝豆大福。
この子のために江ノ島から3時間かけて草薙まで来たのだが・・
こちらも餅おいしーい。
そしてなんといってもフレッシュな枝豆の風味がイイ!
やはり甘さはごくごく控えめで、生き生きとした枝豆の香りも楽しめます。
美味しい豆大福に出会うと幸福になれる自分でよかったなー。
どちらの大福もとてもあっさりとしているので、サクサク平らげてしまう。
店頭に並ぶのは8種類程度に絞って、折々の季節に併せて次々とお菓子が変わります
ひとつひとつにお菓子の説明書。美味しい菓子を知っていただくための日々の努力が感じられます
ほかに包んでいただいたのは
丹波大納言小豆を使った“葛煉まっちゃ”と
そして寒氷“さいさい”など全部で6種類でした。
さいさい キャラメル風に2個ずつ包んで全部で6個が一袋
“さいさい”は折々にフレーバーが変わるオリジナル干菓子で、
コロコロとしたさいころ状なので“さいさい“。
いまは季節ならではの新茶を混ぜ込んだもの。
これがまたすごくイイ!好きです!
324円と手頃な“さいさい”。材料は砂糖、寒天、緑茶葉、着色料とシンプル
寒天とお砂糖でつくる寒氷はもっとも好きな半生菓子ですが。
シンプルなだけに口溶けのなめらかさは技量によって変わります。
また、そのなめらかさがどれだけ保たれるかは店によって(技術者によって)大きく差が出るように感じます。
この“さいさい”は
抹茶でなく“茶葉”というのもポイントで、
さすが煎茶処、静岡。
なめらかな口溶けのなかで爽やかなお茶の香りと風味がとろけるみたい。
サワヤカなのにとろ〜ん。
茶葉がリフレッシュ効果のあるハーブだと感じるのも新鮮で楽しい。
初めて半生菓子や干菓子を召し上がる方にもぴったりで、リフレッシュメントとして携帯したいくらい。
ところで
涼菓の“葛煉まっちゃ”はすぐに冷蔵できないときは2〜3時間で召し上がってほしい、とのこと。
なので、6種類のお菓子を頑丈な保冷バッグに入れて公園へ。
風の爽やかなこの日、屋外でいただくの好むワタシにとっては絶好のお菓子日和である。
牛乳で
“葛練まっちゃ”は丹波大納言粒あんのゴージャスなおいしさと
ミルクで煉った抹茶葛がのまったりとした口あたりが
濃厚なようで、すごく爽やか。
こちらもよく冷やして、夏に楽しみたい涼菓ですが、予定では6月16日まで。
定番のどらやきはほろほろふんわりとした焼皮に
甘さほどほどに炊き上げた丹波大納言粒あんの相性が好くて。
あっさりさっくりいただけます。
翌々日まで賞味期限だったけれど、当日消えていったのはもちろん美味しかったから。
この日はほかに要冷蔵でクリームチーズと餡を併せた“あんち〜ずどらやき”もありました。
薫風:こなしにこしあん
上生菓子の“薫風”は
こなしならではのあっさりとした食感と生地の風味のよさが好ましく
さりげないようで端正な姿が印象的です。
こちらもまもなく他のお菓子に変わるはずです。
このように二十四節気七十二候といった具合で、
お店に一度に並ぶのは8種類程度に絞りこんで
巡る季節にふさわしいお菓子を丁寧にじっくりこしらえているので、お店に行けばいつも新しい発見があるはずです。
いいな〜、近くにほしいこんな菓子屋さん。
この日は久々に清水駅周辺と静岡市街も歩きましたが、
あらためてお菓子の多い土地柄であると感じました。
そのなかでぜひまた訪れたいのが「かもかし」でした。
★かもかしFB
かもかしブログ
・静岡市清水区中之郷1丁目5-33 *水・日定休*10〜18時
陳列は奥ゆかしく清潔で、小物なども気が利いている
★おまけの話★
赤坂の名店「塩野」で修行を積まれた店主の加茂祥平さん、まりこさんご夫妻。
祥平さんのご出身が静岡清水なので、こちらで開業されたのだそう。
いっぽう、塩野に勤めつつ金塚晴子先生のスタジオ「へちま」でアシスタントも担っていた妻のまりこさんで
ワタシが出会ったのが6年以上前のこと。
開業から時を経てようやくお店に伺うことができたので、宿題を済ませたような(笑)。
ちなみに、まりこさんと逗子「こよみ」の粂谷さんは塩野で同期でいらっしゃいます。
粂谷さんからも「かもかし」の話を訊いて、行きたい気持ちが再燃したのと“枝豆大福”の威力で今回の清水行き。
自らの食欲というか業の深さにおののくよ。
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丁寧に作られているのが感じられます。
私は今日、人間ドックで「少し甘いものを控えた方がいいですね」と言われました。色々配分を、欲の度合いも含めて考え直さなければなりません(笑)
気になる二品!
来月は「和菓子甘党の会」にまた出席できず、本当にすみません。ここでのご報告を楽しみにしています!(全国いろんな和菓子を見て、食べてみたいな)
編みたくなるようなフォトジェニックな子でしょう〜。
甘いものがダメって・・
人間ドックってそんピンポイントな指導されるんですかっ。どうせ甘いもの食べるなら、トミーズのあん食ではなく豆大福に。バランスのよさならこっちでしょう(笑)