特製 波
まぼろし?の“どら焼き白小倉餡”
煉製 月の暁
今月18日で終了する、とらやの第40回企画展「白小豆」。
ことし2月9日、とらやで使用している白小豆が、
農林水産省により「福とら白」として品種登録されたことを受けて・・・
●本文の後に「第3回わがし甘党の会」開催のお知らせがあります
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・・・受けて(受ける予定で)の展示なのだと思われます。
この「福とら白」は小豆の品種登録としては、民間初となるのだそう。
おめでとうございます、の意味も込めて遅まきながら展示内容と
特別限定版のとらやの白小豆のお菓子を紹介します。
2018年2月28日にスタートした企画展「白小豆」はとらや東京ミッドタウン店で6月18日まで開催しています。
毎回の企画展では店内スペースのほぼ半分を使って、パネル展示を中心に行ってきましたが、
今回はパネルと画像による展示で、生産者のみなさんにスポットを当てているのが、とらやならでは。
想像でしかなかった「契約農家」の人々の顔が見える内容となっています。
生産者の斎藤さんをご紹介。こういった試みがとらやの素敵なところ
何においても“つくる人々”を実感できるっていうのがワタシ的には大好物。
この記事の下の方に、展示パネル写真を貼っておきますのでご覧くださいませ。
そして企画展中は白小豆つまり“福とら白”、を用いたお菓子を限定販売。
前半(3/4〜4/30)は白小豆の蒸羊羹製「月の曙」
月の曙 白小豆のこし餡に蜜炊きの白小豆粒を混ぜ込んだとてもあっさりとした蒸し菓子
後半(5/6〜6/10)は煉製「月の暁」を
月の暁 煉製(煉羊羹)といっても口あたりがみずみずしく、水羊羮と煉羊羹の間ほどの甘さ。
どちらも白小豆(福とら白)こし餡に蜜炊き白小豆(福とら白)粒を混ぜ込んだ生地ですが、
ワタシ自身は月の暁のほうがより豆の風味を楽しむことができました。
いずれにしても福とら白さんがたっぷりで福々しいですねー。
そしてもう一つ「とらやTOKYO」では1月10〜15日に
通常のとらや工房からの富士山便を“どら焼き白小倉餡”限定に変えて販売しました。
そうです、この5日間だけ、いつもの“どら焼き小倉あん”が白小豆バージョンに変わっていたのです。
紹介が遅すぎてすみません。
とらや工房による“どら焼き白小倉餡” おひとりさま3個までと個数制限
硬めに焼いた生地にこってり煉った小倉餡は“うさどら”の対極というべき?
特製 波
そして、一般販売のないのが“特製 波”
小田巻で出した羊羹製(こなし)生地で、白小豆の小倉あんの餡玉をくるんだ美しい意匠。
通常は白御膳餡であるのを、白小豆小倉餡に変えている点も含めて“特製”なわけです。
仕上げに氷餅を散らし、波しぶきが散るさまに見立てています。
久々に(と言ったら失礼ですが)、おいしい羊羹製を頂きました。
小田巻(モンブランみたいに絞り出す和菓子道具)にしたことで、こなしに軽やかさが出て、
波のイメージにふさわしい味わいになっています。
展示内容中、興味深かったのは
現在、およそ群馬県北部利根沼田地区を中心に、270軒の契約農家もる栽培がなされているとらやの白小豆。
白小豆が初めて栽培されたのは備中、つまり岡山周辺地域であるが、
長い年月をかけて、生育環境にあった独自の品種に変化した、と考えられているのだそう。
つまり、品種改良を積極的に試みたわけでなく、自然発生的に変異した点が好いなと思いました。
備中と福とら白、どちらの白小豆も白手亡豆(一般的な白餡の材料)と、風味も香りも違うことは明らかですが、
備中白小豆と福とら白を同じように炊いた場合、その味の違いも知りたいものです。
6月後半発売予定のとらやの生菓子では“葛製 水仙妹が袖“の中餡に使われると思われます。
通年商品では最中の“御代の春 紅”が白餡入りですね。
興味のある方は召しあがってみてね。
下はとらや企画展「白小豆」に登場した農家の皆さん(パネル画像より)
●第40回とらや企画展 白小豆
・・・・・・
◎第3回わがし甘党の会 開催のお知らせ
今年の夏も参加者を募集します!
昨年の第一回開催の模様はこちら→*をご覧ください。
参加をご希望の方は
yuki-ssg●qg8.so-net.ne.jp の●を@に変えたアドレス宛に
お名前、連絡先、メールアドレスをご記入のうえ、6月30日までにご連絡をお願いします。
開催日時など詳細については下記の開催要項をご覧ください。
・・・・・・・・・
●第3回「わがし甘党の会」 開催要項
・日時 2018年7月28日土曜日 18時20分〜20時半頃まで(会場使用開始は17時半〜撤収は21時)
・場所笹塚区民会館 和室
・都営新宿線直通 京王新線「笹塚駅」より徒歩10分程度
・渋谷駅からバス=「笹塚中学」バス停より徒歩2分
・テーマ:2000円以下の手みやげ(ばらまき用、和菓子限定)
・ご持参いただくもの
@テーマのお菓子
Aご自分用の器(紙皿、トレイなど)と楊枝orフォーク(黒文字、箸etc)など(お菓子を分ける際に使います)
・参加費 1200円(会場費、会で提供するお菓子代を含む)。
@の今回のテーマについて
『2000円以下の“ばらまき手みやげ(和菓子限定)”』
こちらを当日ご持参ください。2000円以下ならいくらでも構いません。
仕事先、あるいはちょっとした集まりに、数人で気軽につまめるような手みやげを持参したい。
とはいえこのご時世、予算は限られている。
となると、かわり映えのしないいつものアレだったり、和菓子以外の選択に落ち着いたり。
そこで気軽で美味しい和菓子の手みやげ情報を共有しようというのが趣旨です。
予算が限られているから難しいでしょう(笑)。でもゲーム感覚で楽しく悩んでくださいね。
参加人数分をお持ちいただく必要はありません。
※ご不明の点などがあれば下のコメント欄へ書き込んでくださいね。
追記:今回も会からのお菓子をご用意致します。予定はあの名店の水羊羮。
ではでは、多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
夏だけど、和菓子!
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もともと白餡好きですが、白小豆の白餡は好きです。あれもこれも、味わって見たかったなー。
あら、欲がない(笑)ワタシはお菓子の販売に合わせて展示に行くのがトーゼンと。月の暁がワタシは好きでした。
白小豆が展示の主役として登場するとは数年前まで考えられなかった。こんなふうに原材料に注目する機会が増えるといいですね。