滝しぶき 〜夏ですから
深山の雪 〜夏ですが
金沢文庫駅から15〜20分歩くと、自家製和菓子の店「金沢さかくら」に・・・
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・・・行き着きます。
Instagramなど、お店のSNS上にエントリーされる多くは彩り豊かな上生菓子ですが、
豆大福、おだんごなど朝生菓子もきっちりと調製する頼もしい菓子店です。
さて。
最近になって八景島や金沢文庫など(三浦半島付け根から北上した東側エリア)も自転車でアクセスしやすいじゃな〜い、と気がついたので、休日、時間が取れるとこの辺りを攻めてます。
「金沢さかくら」までは自宅から片道24キロほど。
自転車でのんびり走って2時間弱の距離です。
交通量の多い白山道から一本入ると、小川が流れるのどかな風景に変わります。
年季の入った二階屋を、白い半のれんや睡蓮鉢、さりげないしつらえの草花などが、味のある佇まいに変えています。
もともと和菓子店だった場所に2013年から居抜きで入られた、とのことですが
表だけでなく店内にも店主の方のセンスが伺えます。
いっぽうでお菓子の種類が豊富なことに驚かされます。
季節の上生菓子だけで9種類、水まんじゅう3種類のほかに豆大福、水羊羮、きみしぐれ、吹雪、わらび餅など並生菓子に、この日は水無月も調製していたのでこちらも9種類。
日保ちのよい、どらやきと最中もありました。
若いご夫妻お二人ともに技術者とはいえ、これだけの種類を一度にこしらえるのは容易ではないことです。
訊けば、上生菓子の多くは茶席や茶の湯の稽古に使われるようです。
なので煉切など一部はフリージングで納めて、先方が稽古のタイミングに併せて調整しているのだそう。
残念ながら夏季はおだんごを休止とのことですが
豆大福は餅米を蒸して搗いた本格餅に小豆粒あんを包んだもの。
赤豌豆は控えめに混ぜ込んでいます。
気温の高い日だったので錦玉羹2種類、水羊羮、水無月と
そして、夏だというのに(しかも自転車だっていうのに)大島きんとんに惹かれて“深山の雪”。
深山の雪 大島(黒糖)きんとんと白手亡豆のきんとんに中は小豆こしあん
“深山の雪”といえば一般的には冬、寒さの厳しい時期につくられますが
いっぽうで夏の菓子となることもあります。
奥深い山に残る雪をイメージすることで古の暑気払いにしたのでしょう。
それにしても珍しいよね。
もっとも印象的だったのは
青しその葉を刻んで混ぜ込んだ錦玉羹“滝しぶき”。
赤紫蘇を使ったお菓子は上生菓子も餅菓子も何度かいただいたことがありますが
青紫蘇は初めて。
滝しぶき
耳にも目にも涼しげですが、口に入れるとさらに青しその香りが広がりサワヤカ〜。
大納言小豆が滝壺の底にある石を表しているのでしょうか。
珍しく具象的な錦玉羹も選んでみました。
夏金魚
時期によってはすあまなども調整しているようですので、おだんごを再開された頃にまたぜひに。
★おまけの話★
ご夫妻の修行先である横須賀の菓子店店主、三堀氏には一度お目にかかったことがありますが
この方とご主人は従兄弟さんでらっしゃるのだそう。
それとは別に
店名の“さかくら”は同じく横須賀の菓子店ですが、こちらとの関係は直接、伺ってないので
のれん分けなのかどうかは(web上には情報ありますけど)不明です。
どらやき
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それにしてもこの暑さで、目にも涼しげなお菓子ばかりを思い浮かべて憧れるばかりです。
青しそって地味だけどか写真にないけどロータスのもなか、フォトジェニックでした。
青しその錦玉羹はさっぱりして夏向きでしたよ。