港区青山の甘いものと言えば。
パティスリーの・・・
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華やかなデザートや、
次々と開業する海外ブランドを掲げた行列狙いの話題店がやたらと目に付きますが。
じつは多くの和菓子店が点在するエリアでもあります。
南青山のまめ、骨董通りの菊家、表参道交差点の桃林堂、HIGASHIYA−man、トラヤカフェ、外苑前のKITAYAなどなど・・
あるなかで、界隈随一の老舗が大正12年11月18日創業「御菓子司 紅谷」。
当代3代目主人とご子息である4代目が菓子づくりを担っています。
もともと青山通りの路面店で、
店頭に掲げてあった趣のある屋号看板をご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
それが、4年ほど前に同じ建物(自社ビル)の9階に移転。
旧店舗は蕎麦屋に変わったので
店を閉めたと勘違いしている人もいるようです。
建物の脇から入り8階まではエレベーターで。目印の立て看板。
ワタシ自身はむしろ、9階に移転してからのほうが利用頻度が高い。
気のせいなのか、移転後のほうがお菓子の種類も増えた気がするんですよね。
11月1日はとりわけ種類豊富で目移りしてしまうほど。
絞りに絞って。この日は9種類を持ち帰る
定番の豆大福、ミニどらやき、(独特の)あゆ焼き、もなか、お赤飯はもちろん、
栗蒸し羊羹、栗茶巾、栗しぐれなど旬の栗菓子、おはぎ3種類、上生菓子3種類、薯蕷饅頭の織部とうさぎ(ゆず饅頭)に加えて
亥の子餅(!)と銀杏餅(!!)。
今年もいつのまにか亥の子餅の季節なのだ。
そして、まもなく宗旦忌。
千利休の孫である裏千家三代目の家元、千宗旦の命日が12月19日。
茶道では
これよりひと月繰り上げた11月19日を
「宗旦忌」として(宗旦居士の遺徳を偲び、修道を誓う)式を行い
その茶席でいただくのが“銀杏餅”。
裏千家のシンボルマークである「銀杏」→*
京都にある裏千家「今日庵」の露地には千宗旦が植えたとされる銀杏の大木があります。
宗旦銀杏とよばれていますが、その昔、京の大火の折に火事を食い止めたという伝説があり
裏千家お好みとして図案に用いられたのだそう。
というわけで宗旦忌には“銀杏餅”を供するのです。
が。
すっかりポピュラーになった亥の子餅にひきかえ、
銀杏餅(ぎんなんもち)をつくる、都内創業の店は多くありません。
このブログで取り上げたのも京都「中村軒」のこちら→*
御茶席ではどうしているのか、わからないけれど
ぱっと思いつくのは一幸庵、一真庵あたりかな
(銀杏=ぎんなんでなく“いちょう餅”ならたまにあるけれど)。
仙太郎のような(近畿創業の)多店舗展開店でも扱うようですので
そのあたりを利用するのかもしれません。
さて。
青山界隈は茶席用菓子の需要が多く、
老舗である「紅谷」さんでも多くの茶席菓子を調製してきました。
なので亥の子餅と銀杏餅があっても不思議ではありませんが
同時期に揃っているなんて〜。うれしさ3倍増!
堂々たる銀杏餅の姿に思わず歓声を上げてしまった。
細かい割(小粒)の道明寺粉でつくった餅に大粒の銀杏を3つ。中はこし餡。
これほど立派な銀杏餅、そうそうお目にかかれるものではありませんね。
しかも美味しい、とても。
道明寺餅を好まないワタシですが、こちらはとても美味しかった。
あの独特の風味を残した甘くない銀杏もしっかりとした口あたり。
おなじくしっかりとしたお餅との相性ぴったりでした。
ひきかえ、亥の子餅はごく柔らかい仕あがり。
香りのよい白ごまと小豆こし餡を混ぜ込んだ(黒糖ではなく)、とろけるような口あたりの
こし餡を包んでいました(11月9日加筆訂正)。
生菓子が全部でT7種類、季節のお菓子だけでもT3種類、
ほかに麩焼きのみそせんべいや栗羊羹、煉羊羹も揃うなんてめったにないこと。
毎年、青南小学校の創立記念日のお菓子を担う御菓子司 紅谷。
すべてが手づくりであるため、その前日はほぼそれにかかりきり。
今年は11月16日が納めだそうで、15日は店頭のお菓子の種類はごくわずかになるようですので
銀杏餅など求める方は、予約するなど確認されることを薦めます。
ほかのお菓子も美味しいものがたくさんあるので、またご紹介したいと(何年にも渡って)思っています。
御菓子司 紅谷
※営業は水・木・金・土 11時〜15時 ←ハードル高めです。
・亥の子餅:346円:砂糖、小豆、餅粉、ごま
●次の更新で「第四回わがし甘党の会」開催についての詳細をお知らせします!
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返事が遅れてすみません。あゆ焼きはですねー、鮎とは思えないようなぷっくりと膨らんだ焼皮に季節ごとに異なる焼印、しかも肉桂を効かせた生地で求肥もたっぷり。しかも中に潰しあん!あん入りってことが珍しいのに潰し餡というトリプルに独特なのよ。
喜田屋さんのは味噌餡だったと思います。
銀杏餅って、宗旦忌のお菓子なのに、じつはよく見るとルックスがおかしいよね(笑)