毎回、「わがし甘党の会」では、“ちょっと特別なお菓子”を数種類ご用意します。
たとえば特別注文菓子、希少な限定品、あるいは“大人数でなければ・・
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・・手に入れにくい”珍しいお菓子。
というわけで
このたびは、お茶の子まめの別製“冬至の浮島”、とらやの展示記念の特別限定羊羹3種類、そして長崎県「くろせ弘風堂」の“丸型新ざぼん漬け”を参加者全員で楽しみました。
「くろせ弘風堂」の“丸型新ざぼん漬け”は会のメンバーである和三坊主さんから情報をいただいた“大人数で食べたいこの時期ならではお菓子”。
長崎はざぼん漬け(朱欒漬け)をつくる菓子屋がいくつかありますが。「くろせ弘風堂」寡聞にして知らなかった。
さすがは“和菓子のエンサイクロペディア”和三坊主さん。
くろせ弘風堂では現在、丸型新ざぼん漬け、月型新ざぼん漬けのみを調製。
(余談ですが・・ステキなデザインの包装紙には長崎カステラ、桃かすてら、祝仏用菓子とありますがもはや製造していないのだそう。
さまざまな栄誉に輝いたカステラは“電気カステラ元祖”とまで書いてあるのに。)
月型新ざぼん漬け
月型は旬のざぼんを一切れずつカットした砂糖漬けなので、ワンスライスごとに砂糖でコーティングしたように見えます。
そして、丸型は旬のざぼん漬けを丸ごと砂糖で漬けたもの。
女将さんの説明によると・・「あえて言うなら月型は羊羹のような食感、丸型はゼリーのよう。長崎の人は甘いモノが好きだから月型が人気ありますよ」。味は全然違うらしい。
そして12月の朱欒はまだ小ぶりで、巨大な果実になるのは年が明けてから、と仰っていた。
そういえば高級果実店で見かけるバレーボール大の文旦は春先だったかな?ハワイでご馳走になった超巨大果実を思い出しました。
和三坊主さんが訪問したときは、ちょうどこのバレーボールの時期で(さすがに一人で持ち帰るのは・・)とあきらめて月型だけを購入し、そして召しあがったざぼん漬けの中ではこの“月型”が一番おいしかったのだそう。
というわけで。
取り寄せたのはこの時期としては大きめの500グラム丸型。
これでも21名分のお茶菓子としては充分。
20分の一でも、月型の2分の一程度あります。
届いた丸型を実際に計量してみるとほんとうに500gなので驚きました。
というのは、こちらのお店の注文方法がなかなか個性的でして。
まずはこちらから
「希望の品に見合うおおよその代金、送料、箱代の合計金額の“現金”と、希望の品名と送り先と到着希望日時を書いた“手紙”」を同封して書留で送ります。
丸型は100g600円で2000円程度からあるようです。月型ならば一切れ250円が目安。
少し余計に入れておくと、釣り銭は端数まできっちり戻してくれます。
今回は3000円程度の丸型をリクエスト。
まるごとの天然果実ですから個体差も大きいと思うのですが
ここまで近似値が揃うとは、予想してなかったので驚いちゃったのよね。
それにしても。
今回は品代3000円に対して箱代350円、送料1280円、書留代金550円。
確かに(関東在住の)個人で楽しむにはハードル高め。
この機会でなければ口にしないであろうお菓子でしたから、分け合う喜びもひとしおですね。
召しあがった参加者からの評判は上々でした。
リアルな声を書き出すと、
「ザボン漬け、とても美味しかった。本当にゼリーのよう」
「熊本から届く生のザボンの皮をもったいなく思っていたので、このお菓子はとても勉強になりました」
「感動!こういうお菓子は初めて」
「はじめは「けっこうすっきり」。でも食べ進むに連れて蜜の味がどんどん濃厚に感じられて、その移りゆく味わいが心地よかった。こういうの好きー」
「お味見うれしい!甘すぎず、肉厚なので満足感が高くて。切りながら漂っていた香りも芳しくて。満喫できました」
「美味しかった、見た目より、ずっと繊細。果物の砂糖漬けっていままで買って食べることもなかったけれど。貴重な味を経験できて幸せ」
「味も見た目も迫力あり。ずっしり甘くしっとり柔らかくねっとりするようでいて爽やか・・素晴らしかった。取り寄せのエピソードもご馳走」
情報元の和三坊主さん自身も「インパクト大」とあらためて深い印象をもたれたようです。
ワタシもとても好きでした、くろせ弘風堂の新ざぼん漬け。
そして月型と丸型を時間差なくいただいた印象はどちらも柔らかくてジューシー。
月型は気軽なおやつにふさわしく、羊羹というよりこちらもジェリーに近かった。
丸型は、大きな丸いフォルムが美しく、開封した瞬間から漂う、甘い柑橘果の香りに心揺さぶられ、ハレのお菓子として切り分ける作業も含めて・・テンション上がりますねー。
やはり特別なお菓子でした。
記憶にある岩永梅寿軒の朱欒漬けがとてもおいしかったことも思い出されます。
やはりのさすが、長崎のザボン。歌(←母世代の)になるだけあって侮れません。
「第4回わがし甘党の会」に登場したお菓子ははこれですべて紹介致しました、たぶん。
次回のあんころりん主催による「わがし甘党の会」は7月を予定しています。
その間にスピンオフもあるかもしれないので、興味のある方はブログをチェックしてくださいね。
最後に箸休めのこの方を備忘録として。
●くろせ弘風堂(商店街HP)
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ふと、また食べたくなるような、素晴らしさ、だったと思います。
和三坊主さんと、そして作り続けているくろせ弘風堂に感謝!
みなさんとハードルを越えられてよかった。