岩の間に湧き出す冷たく澄んだ水底に、沈む小石は備中白小豆
梅雨どき。雨に濡れそぼる小さな鳥
「川口屋」の創業は元禄年間(1688〜1703)、
上がり羊羹で知られる創業1854年『美濃忠』よ・・
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・・りも さらに古く
すでに300年以上の歴史ある老舗です。
お店は名古屋の繁華街・・三越やら丸栄やらの百貨店が並ぶ栄町界隈の伊勢佐木通り沿い。
呑み屋なども多く、歓楽街っぽさの漂う、そんな街中にあります。
そのせいか、夏の暑さが厳しく、
(このあたりの実際の気温は天気予報以上でしょう)と女将さん。
だからでしょうか。
5月にして錦玉羹が充実しています。
上質でそして、とてもおいしい。
そのひとつ
“岩清水”もただの甘い寒天ではありません。
岩の間から湧き出す清らかで澄んだ水を寒天で、
水底の小石を鹿の子豆で見立てた、
目にも耳にも涼やかな錦玉羹。
短く切りそろえた笹の葉を添えています。
蜜漬けにした鹿の子豆は備中白小豆と丹波大納言小豆、もちろん自家製です。
適度に歯ごたえを残して炊かれているのですが、
黒文字で難なく切っていただけるように
寒天と豆の柔らかさが揃っているので食べやすい。
茶席の御用が多いお店ならではの細かい配慮があります。
ほんのすこーし うっすらと翡翠色を流し入れた意匠も、奥ゆかしくて涼しげ。
5月の定番“ぬれ燕(ぬれつばめ”)。
奄美大島の黒糖を入れた寒天を茶巾しぼりにした錦玉羹。
中はこちらも丹波大納言つぶあん(つぶしあん)。
やや固めに炊いています。
餡にも黒糖が滲みて、あたかも大島餡のような味わいです。
和菓子の銘としてはポピュラーな“濡つばめ”。
春の季語で雨に濡れそぼるツバメのことですが、
いまは俳句のほうではあまり使われていないようです。
菓子に残る美しい雅語。
つくってないけど。ただの食べるひとだけど、なんとなく誇らしい。
あ、人気の水羊羹も始まってました。
そちらは次の機会に。
このブログの川口屋
2016年 川口屋の栗
2015年の川口屋 亥の子餅
2012年
2009年
2010年
2009年椿餅と一幸庵
●川口屋
名古屋市錦3-13-12地下鉄栄西駅1番出口052-971-3389日祝第4土休9:30〜17:30
覚え書き
・岩清水:340円(込) 砂糖、寒天、丹波大納言小豆、備中白小豆、着色料
・ぬれ燕:340円(込) 砂糖 寒天 奄美大島産黒糖、丹波大納言小豆
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