とらやの“水無月”と“白水無月”・・・??
この菓銘を疑問に思われる方もいるのでは・・・
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かくいうワタシも(????)。
なぜだか、わからないけれど、
この表記から推して
とらやのデフォルト水無月は“黒”ということにほかならない、と思われます。
だがしかし。
それはあくまでも推察ですから
はっきりさせるために「とらやお客様相談センター」に問い合わせてみました。
その前に、疑問に思ったそのワケを。
水無月の一般的な謂れについてはこちらに書きましたが
気になるポイントを抜粋すると
『・・・・・・・“三角形”は氷を表すといわれています。
これは室町時代、年中行事として6月に御所では「氷室(ひむろ)」の氷を取り寄せ、氷を口にして暑気を払ったことによるもの。
「氷室」とは
冬の氷を夏まで保存しておく所のことで、地下など冷涼な場所を利用して作られていました。
この“氷室”の氷を食べると夏痩せしないと信じられていたそうですが、庶民の口に入ることはトーゼンなかった。
そこで、氷の破片を表した三角形の「水無月」で暑気払いをした、
という説がいまも有力です。』
この説を取るならば、水無月の生地を白(あるいは透明)にこしらえるでしょう。
とすると。
とらやではこの氷室説を肯定していない、のではなかろうか。
とらやの解説文には
『六月三十日には、「夏越の祓(なごしのはらえ)」または「水無月祓(みなづきばらえ)」とよばれる神事が各地の神社で行なわれます。小豆の赤い色が邪気を祓うとされ、京都を中心に、「夏越の祓(なごしのはらえ)」にあわせて食べる習慣があります。』
と 氷室説について触れていません。
氷室説はないものとして、江戸の頃に庶民が食べていたお菓子、というところにフォーカスすれば
精製した白砂糖は使われなかった、と考えても不思議ではありません、が・・・
訊いてみたところ
とらやからのお返事は意外にも
「じつは・・・はっきりとはわからない」。
伺った内容をかいつまんで書きますと
「大正時代にはすでに2種類の水無月を調製しており、それぞれが描かれた文献が残っていますが、それ以前の文献にはただ“水無月”としか書かれてなく、初期の製法や絵などについては詳しい資料が存在しない・・・」のだそう。
また、昭和の終わり頃には「東京では黒い水無月を、京都では白い水無月を、それぞれ一種類を販売していたのですが、これもその理由については資料が残っていない・・」のだそう。
では大正時代の資料に黒いほうが“水無月”とされていたのか?
とい疑問を投げかけたところ、これについてはあらためて週明けに教えていただくことにしました。
それからもうひとつ。
黒と白は単に砂糖の違いだけでなく、材料の割合や材料の種類そのものにも違いがあるのですが、その理由についても一緒にお返事をいただけるとのこと。
水無月:小麦粉(国内製造)、白下糖、中双糖、砂糖、小豆、カラメル色素
白水無月:砂糖(国内製造)、小麦粉、小豆、新粉
これを見ると、黒の粉類は小麦粉のみ、白は小麦粉に新粉を加えていますが・・。
最後に
「東京は1個40g238円、京都は1個50g292円と京都のほうが大きいはどうして?」と質問したところ。
これは単にテクニカルな問題で、とらやが通常使っている生菓子用プラカップに入るサイズは40gになるのだそう。
これについては「販売する側の問題なので・・」とても申し訳なさそうに説明してくださいました。
おそらく京都では粽などと同様に袋に入れて販売するのでしょう。
販売店舗が広範囲に渡り、数でも圧倒的に上回る関東ではカップでないと流通が滞るのでしょうね。
どのみち
ワタシ個人としては2種類併せて80ḡならば一人で最後まで美味しくいただける量なのでむしろ大歓迎。
最後になりましたが
とらやの水無月、白水無月。
歯切れよくシコシコとしっかりとした口あたりでワタシは大好き!
すべてのとらやの生菓子のなかでもベスト3に入れたいくらい、っていうか。
ことし食べた水無月のなかでもトップクラスの好ましいプリっプリ水無月です。
ってことは
柔らかいネットリしたタイプが好きな方にはウケがわるいだろうな〜。
ふと思うととらやで水無月買ったのって初めてだったのか・・。
では月曜のお返事を楽しみにしながら週末を過ごします。
とらや 水無月・白水無月
★お知らせ★
「第5回わがし甘党の会」を開催します。
開催日:2019年7月27日土曜日
時間:午後2時頃から4時半ごろまで
場所 渋谷区立笹塚区民会館 和室
参加費:2000円程度の予定
●会からのお菓子:名店の“水ようかん”数種類!(あの杉箱入り水羊羹も予定しています)。
●持ち寄りテーマ:「安価だけど・・いまハマっているお菓子」
今回は持参必須ではありませんので、手ぶらでもご参加いただけます。
お持ち頂く場合は2000円以下で。人数分を用意する必要はありません
※近日中にさらなる詳細を発表します
参加ご希望の方は
7月10日までに
参加希望の旨とお名前、メールアドレス、連絡先電話番号を書いて
下記アドレス(高 由貴子宛)までお知らせください。
高由貴子宛
yuki-ssg★qg8.so-net.ne.jp (★を@に変えて送信)
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