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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2019年07月05日

いまいちど とらやの水無月はなぜ黒いのか?白と黒の違いは

IMG_8341-001.JPG
水無月(左)と白水無月
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こちらは“更衣”の角型 5月30日、6月1日に円型の菓子を販売する


前回の続きです。

とらやの水無月について
水無月、白水無月という菓銘から
(黒い水無月がデフォルトなのはなぜだろう?なぜかしら?)と・・・


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・・・思って
実際にとらやお客様相談センターへ問い合わせてみたところ
答えは思いがけなく「よくわからない」だったのですが・・
詳しくはこちらをご一読ください。


最初にいただいたお答えが
(・・・とらやには大正時代にはすでに2種類の水無月が描かれた文献が残っているが、初期の製法や絵などについては詳しい資料が存在しない・・・・)。

それならば

「大正時代の資料に黒いほうが“水無月”と書かれていたのですか?」
と再び伺ったところ、すぐにはわからないので、と週明けにお返事をいただきました。


はたしてその答えは
・・・



大正時代の資料には
「右に描かれた白い水無月に「白水無月」
左に描かれた黒い水無月に「同 黒」」

そのように表記されているのだそう。

え?ならば白がデフォルトなのでは?
そんな疑問が沸き起こりますが とらやに残された資料はここまで。

なので 
「昭和の終わり頃に
京都のとらやで販売されていたのは白い水無月
東京のとらやで販売されていたのは黒い水無月」。
という史実に基づいて 

ワタシなりに推察してみました ない頭で。


IMG_8340-001.JPG

ご存じのように明治遷都でとらやは京都から東京に移り、
昭和の終わりであれば赤坂を本店としています。
そして、支店数も京都より関東近郊のほうが多い。


つまり水無月を行事菓子とする歴史が浅い関東では
初めて見るのが黒い水無月、というヒトも少なくなかったことでしょう。


一般的に初見をデフォルトとするのが人情ですから(ひよこ、もか)
その当時の関東では「水無月という菓子は黒である」と菓子好きの多くが思ったとしても不思議ではない(あくまでも推察です)・・。

IMG_8347-001.JPG


つまり(あくまでも推察です)。
関東に点在するとらやファンの多くにとっては、

白い水無月のほうが後から登場したニューバージョン・・・

だったのと思われます。


そして何より本店をベースと考えたとき
最初に販売したのが黒い水無月で、後から加わったのが白水無月ならば

「水無月」と「白水無月」

という菓銘が自然だったのでしょう 当時は(あくまでも推察です)
(いつから2種類一緒の販売を開始したかは訊いてないんだけどね)。



関東では、6月に多くの和菓子店が水無月をこしらえ始めたのは、せいぜいここ10年くらいのこと
(日本国内におけるクリストシュトレンなみの普及力ではありますが)。



いまでもさまざまな水無月の説明書きには
「京都を中心に・・」「京都発祥の・・」「6月になると京都の菓子屋が一斉に・・・」
など、本来、京都の行事菓子であることが書かれていますが、
関東で“水無月とは白ベースに小豆が載せたお菓子”と多くのヒトが認識したのはここ数年だったんですよね。


以上はあくまでもワタシ個人の推察です(しつこく)。

さて
もうひとつの質問は
とらやの黒い水無月と白い水無月の「材料の違い」について。
IMG_8354.JPG

水無月:小麦粉(国内製造)、白下糖、中双糖、砂糖、小豆、カラメル色素
白水無月:砂糖(国内製造)、小麦粉、小豆、新粉

これを見ると、黒の粉類は小麦粉のみ、白は小麦粉に新粉を加えているのですが
・・・



その理由は
「2つの食感を揃えるため」なのだそう。


製法そのものに違いはないそうですが
砂糖の種類が異なるために(
白と黒、同じように小麦粉だけで仕上げると食感に差異がでるようです。
おなじようにモチっとした口当たりにするために
白砂糖だけでつくる白水無月に新粉(米粉)を加えているそうです。



ちなみに後から気がついたのですが 黒い水無月の小麦粉は国産、白水無月の小麦粉には表記がありません。
これって外麦ってこと?

また来年、とらやさまに訊いてみよう。

最後に「とらやお客様相談センター」の方はこちらのねちっこい質問にもとても丁寧に親切に対応してくださいました。
お仕事とは言え、ほんとうにありがとうございます。

・・・また質問しちゃおうっと。


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↑サービスショット
左下の“更衣”は6月の衣替えにちなんだお菓子。毎年とらやは6月1日に円形の“更衣”を販売する



とらや 水無月・白水無月


★お知らせ★
「第5回わがし甘党の会」を開催します。
開催日:2019年7月27日土曜日  
時間:午後2時頃から4時半ごろまで
場所 渋谷区立笹塚区民会館 和室
参加費:2000円程度の予定
●会からのお菓子:名店の“水ようかん”数種類!(あの杉箱入り水羊羹も予定しています)。
●持ち寄りテーマ:「安価だけど・・いまハマっているお菓子」
今回は持参必須ではありませんので、手ぶらでもご参加いただけます。
お持ち頂く場合は2000円以下で。人数分を用意する必要はありません

近日中にさらなる詳細を発表します

参加ご希望の方は
7月10日までに
参加希望の旨とお名前、メールアドレス、連絡先電話番号を書いて
下記アドレス(高 由貴子宛)までお知らせください。

高由貴子宛
yuki-ssg★qg8.so-net.ne.jp (★を@に変えて送信)





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posted by あんころりん at 14:00| 東京 🌁| Comment(0) | 虎屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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