江戸時代、天保元年創業の上州屋。
片瀬江ノ島の古刹「龍口寺」門前で・・・
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・・・営むこと191年。
7代目当主と若旦那が、こつこつと手づくりで菓子をこしらえています。
お盆やお彼岸につくられるおはぎは
小豆から炊き上げた“自家製”のつぶしあんとこしあんの2種類。
その手づくりの小豆あんで包まれるのは朝一番で蒸した“もち米”。
べタつくこともなく、型にいれたて固めたようなもち米(餅?)でも、もちろんなく。
ひと粒ひと粒がしっかりと感じられるのにバラバラにならず硬すぎるってこともない。
これこそ、ワタシの求めるおはぎの“米”(※おむすびや握り寿司もね)。
“つぶあん”と“つぶしあん”をきっちりと分けて表記するところにも矜持を感じさせます。
月ごとに地元の祭礼・行事とそのとき提供するお菓子の早見表。よそ者の身にありがたいカレンダー
これ、気が付かない方って 案外多いのだが(担当講座に長年参加してくださる方でさえ「つぶしあん?聞いたことない」と・・教える側の問題ですけど…)。わかる人にとってはありがたい情報。
(おはぎは見ればわかるけど)包餡してあるのは“半殺し”だってわかるものね。
“若鮎”の銘のある焼き菓子もひとつひとつ丁寧にこしらえています。
気泡を含んだ皮はしっとりしなやか。
中にはもっちりとコシのある求肥もが気前よくたっぷり。
・・・・
あれ、前回の榮久堂と同じような描写ではないか・・・
と・・・思ったら、
驚きました。
な、 なんと若旦那が修行を積んだのは件の店なのだそう。
ワタシがここのところ榮久堂さんと上州屋さんにはまり込んでいたのは、偶然というか必然というか。
なんだか運命的な出会いのようにも思えてしまったり。
なんとなく
上州屋“若鮎”のヒダのデリケートなかんじが、榮久堂“胡麻求肥のぼりあゆ”に似ているなー、とか。
6月バージョン くず桜もおいしい
本葛製の“くず桜”の召し上がり方をPOPに書き添えている
求肥のしっかりした食感、挟む量がたっぷりなところなどなど(おいしい鮎って、ここがポイントなんだ)、とぼんやり思っていたことに符号する。
「菓子づくりも教えていただきましたが」と若旦那。
「大旦那さん(三代目のこと)には、お盆や彼岸など伝統ある行事について、きちんとお客様に伝えていかなくてはいけない」と。そのことを大切にするように重ねて教えていただいた、と。心から尊敬し、感謝している様子でした。
一年の節目ごとのお菓子一覧

花びら餅の解説
上生菓子はそれぞれの生地の種類を書き添えている
上州屋ではそういった伝統行事や暮らしの歳時記に寄り添った菓子づくりをするとともに、栞やリーフレットもほぼ欠かさずに用意していらっしゃる。そういったところもワタシを惹きつけていたんだけど。
先月訪問したばかりです、と伝えると。榮久堂の冊子「甘み」のこと、黒糖“小奴”のこと、そして大旦那さんのことなど、話はつきず。
来月の講座ではお彼岸の頃に上州屋さんに伺う予定。
お盆にはおはぎのほかにお迎えだんごとお送りだんごもこしらえていました。
もちろん。
お彼岸にはお彼岸だんごにおはぎにお赤飯。
手づくりの栗きんとんも楽しみです。
・このブログ内の「上州屋」記事
・2008年の「菓匠 榮久堂」記事
・2019年の菓匠 榮久堂 記事
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