2019年7月1日に開業した「和菓子処 花鳥風月」・・・
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・・・足を運んだのはお彼岸の中日。
佳き日に初訪問です。
ガラスケースに並ぶ餅菓子は大ぶりでなんだかイキがよさそう。
お彼岸中はもちろん“おはぎ”を調製。
自家製の粒(つぶし)あんのほかに
ごま、きなこを選びました。
これが目ウロコのおいしさ!
まず、もち米そのものがおいしい。
豆大福に一番適する、と選んだ千葉産のもち米なのだそう。
おはぎであれば、餅にする前の“ごはん粒”で味わうことができます。
お赤飯なら“おこわ”だけど
おはぎは固すぎず、柔らかすぎないように炊いてあり、潰れないようにごく軽く搗いたのでしょう。寿司のように丁寧にまとめてあります。
で、ごま。
すり潰した黒ごまに砂糖少々(とおそらく塩)を加えてほの甘く仕上げています。
じつを言えば・・最初にすりごまだけを味見して激しく引きました。
好みとしては
ごはんは固め、胡麻は粒のままが好き、さらに甘みを加えるなんて・・と一瞬がっかり。
しかし。
口に入れてみると・・・
めちゃくちゃバランスよいではないの!
頭頂部にぶ厚く、ごま
見れば中のこしあんは控えめに、黒ごまは頭頂部(?)にたっぷり。
すりごまで“もち米”を食べるための絶妙なバランス。
たっぷりまとわせた黒ごまのボリュームと相まってさらにサイズ感アップ。
ですが
十勝小豆を白双糖で炊いたこしあんが、すっきりとした甘さなので、大ぶりでも食べ飽きることなくおいしくいただくことができました。
ごま・・皿に乗せる前はもっとまぶされていた・・
ごま&こしあんのおはぎをこれほどおいしいと思ったのは初めて。
おはぎに“黒ごま”を使う意義(←大げさな)を感じさせてくれました。
ふと思い出したのは玉製家(大阪)のおはぎ。
あちらはきなこたっぷりであんなし、ですが同じベクトルです、ワタシにとって。
きなこもごま同様に、きなこ(深煎でない)に砂糖とそれから塩もすこし加えてありますが
もち米と一緒に食べればその甘みは気がつかない程度。
中のこしあんを控えめに、きなこはふんわりとそして気前よくたっぷり。
こちらもとてもおいしい。
すりごまもきなこも“ふんわりたっぷり”で、持ち帰ったら水分でベタベタ、なんてことななく。
食欲をそそるルックスが崩れない仕上がりに店の矜持を感じさせます。
お店の顔とも言えるのが豆大福。
店主の篠田さんは(お若いけれど)横浜の「和作」で9年、東京小石川「岡埜栄泉」で7年間、経験を積まれた熟練の和菓子技術者(職人)です。
和作は最中で名高く、岡埜栄泉は言わずとしれた豆大福の有名店。
自ずと期待も高まります。
持ち重りのする大ぶりの豆大福。
なんか豊かなかんじがしていいなあ。
プクプクと顔を覗かせるふっくらとした赤えんどう、
調ったフォルムに丁寧な仕事ぶりが垣間見えます。
豆大福のために選んだというもち米を
朝一番に蒸して搗いた餅は、伸びよく、柔らかくキメが細かい。
毎朝、炊くという赤えんどうは風味の良さが際立って
ほんとにおいしいお豆です。
そして中の自家製こしあんはこれまたたっぷり。
まさに“もち肌”の豆大福は、ゆったりふっくらとした美人ってかんじ。
おはぎと豆大福のサイズ感
その日のうちに食べきる朝生菓子ですから、店でつくられる数は限られています。
そんな豆大福はトーゼン翌日には表面が固くなります。
でも。
それもまた好きなんだけどね。
ほかにも新栗の栗きんとんや上生菓子、
そしてもう一方の代表菓子“もにゃか”ももちろんいただきました。
これがまたまた衝撃でした、ので近々そちらについても。
都内における個人経営の和菓子店の新規オープン。
ほんに貴重な・・・滅多にないことです
(閉めるお店の話はたびたび聞きますけど)。
ましてや、豆大福を前面に押し出しているとあらば
一刻も早く駆けつけたくなります。
店主の篠田さんご夫妻で営む、こぢんまりとしたお店は
聖蹟桜ヶ丘駅から歩いて5分ほど。
駅前の喧騒と離れた静かな商店街にあります。
毎週、水木曜日に調製するというお赤飯も食べてみたい。
しかも10月は新栗を使った栗おこわを自家製するのだそう。
来月また行かねば〜。
●和菓子処 花鳥風月
自家製こし餡。なめらかな搗き餅に、朝一番で炊いた赤豌豆を混ぜ込む
★おまけの話★
このあと世田谷文学館で開催されてた「原田 治展」最終日に滑り込むべく、芦花公園駅へ向かったのでした。
大はしゃぎで閲覧していた、あのウルサイおばさんのひとりはワタシです。すみません。
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