
本日の茶道の稽古は盆略手前の通し稽古です。
茶道の経験のある方はこれは本当に初心者向け、という事がわかると思いますが、
お釜を使う、
風炉手前の通し稽古は次週からのようです。
本日の御菓子の御製は太市さん。御銘は「藻の花」
「藻の花」は6月の季語。
古くは万葉集にすでに「藻の花」の句があるのですよ。
えっ、「藻」に花なんてあるの?というやや無粋な方。
裏千家の茶菓はビジュアルとしてはに抽象的なものが多いのです、
と、言いつつ
・・・実はあるのです、藻の花は。
「藻の花」とは水中に生じる藻類、水草の花の総称です。
具体的な種類にオオカナダモ、バイカモ(梅花藻)などあります。
はっきり言ってかなり目立たない小さなものです。
ですからこの花を見て歌を詠み
あるいは菓子に仕立てようと思いつく、
いにしえの人々の感性の豊かさ、に感服してしまいます。
画像です。藻の花ある意味すごいで
す。
↓「藻の花」の中は白あんベースの淡い黄色の練りきり

御菓子は練りきり を(おそらく)「こなし」で花びら風に包んであります。
このどちらかといえば可愛らしい形をみて「藻の花」は何かモデルがあるのでは、
と思いちょこっと付け刃で
調べたんです。
「藻の花」の印象は、何か川面に水草がゆらいでいるのを、イメージしていたので
もっと水の流れのような表現になるのでは?と予想したのですが
反してかなり「植物」のデザイン化を感じたのです。
オオカナダモの拡大写真には花びらがしっかり存在してました。
とにかく現代の私では実際の「藻の花」を見て6月らしい「御菓子」の
イマジネーションを拡げることはまずなかったでしょう。
本当にすごい世界ですね、茶道と和菓子って。

↑今日の茶花は
「竜胆‐りんどう」「水引‐みずひき」「矢筈薄‐やはずすすき」です。
これはですね、緑の部分が「こなし」か練りきりかちょっとはっきりしないから実は生栗さんに訊きたいな〜と思っていたんですよ。でも中の球とやはり食感(触感)が違うので「こなし」かな、というあやふやな判断なのです。
まあ、見た感じでは、わかりにくいけど生栗さんどう思われますか?
和菓子ってほんとに奥が深いですよね〜。
昔京都の鶴屋吉信本店のお茶席でバイトしていたとき、生菓子の美味しさを堪能してました。作ったものは午前中くらいまでが一番美味しいと昔ながらの職人さんに教えてもらったり。今思えばすごく滅多に出来ない良い経験でした。
お店も凄くて、鑑定団に出てきそうなお宝をお茶席に飾るんですよね、毎日色々考えて・・・
う〜ん、あのときもっと和菓子も勉強しておけば良かった(>_<)
鶴屋吉信本店のお茶席!とはまた。
すっごいところでバイトしてましたね。
毎日最上のものに見て、触れて
そして何よりその佇まい。
おそらく素晴らしく貴重な体験でしょう。
茶道でも
お茶器なども本当に小さな何気ないものも
美しいものばかりですものね。
きっと刷り込まれてますよ。
和菓子がお気に召しましたか。