奈良の萬御菓子誂處 樫舎がこしらえた
卯月から皐月にかけての・・・
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・・・上生菓子。
配送可能な3種類が届きました。
“はつむらさき”
お店の説明によると
「吉野本葛と上質のお砂糖を合わせて蒸し、冷ました後に粉にした本葛をまぶして焼いた葛焼き・・・
普段はあまりお作りしない本葛とお砂糖二種類だけの素材で成立する珍しいお菓子…」を紫に染めたもの。
今回は店を代表する葛焼き“みよしの”ではなく、この“はつむらさき”。
素材そのものを喉越しや舌触りで楽しむ(水仙粽に代表される)葛と砂糖だけのお菓子は 細胞に染み渡るような心地よさがたまりません。
はつむらさきはそのフルフルとした舌触りと、甘みの奥に潜む清涼感が体の芯に届くような・・楚々とした味わい。
(いいわよね〜葛のお菓子って)と思わず頬がほころびますわな。
じつを言います“みよしの”を期待していたので、その点は残念ですが、あまりこしらえることのない希少なお菓子を味わう機会に恵まれました。次回はみよしの、を!
“てふてふ”は
「備中白小豆の粒餡を同じ備中のこし餡を緑に染めた餡で包んで餡玉にし、胴つき米粉と胴つき羽二重餅粉を合わせて蒸した生地で包み…生地裏側より黄色に染めた生地を透かし、氷餅をまぶした後に「てふてふ」の印を押して…」仕上げた餅製のような生菓子。
まず食感が好き。
生地の構成としては柏餅とほぼ同じのようですが、こちらのほうが弾力があって中あんとのバランスも絶妙。
そして芯を包む備中こしあんのおいしさがここでは重要な役割のように思いました。
二重包餡におけるこの“色をだすためのこしあん”って、案外おざなりになっているのが少なくないけれど、“てふてふ”はこのおいしさが備中粒あんの存在をより高めているように感じました。
てふてふ(♪)の裏にほんの少し、黄色を入れた細かい配慮もすごい。
♪て〜ふてふ、て〜ふてふ 菜の花にとーまーれ。
“木の芽薯蕷”は
「丹波大納言の粒餡を同じ丹波のこし餡で包んで餡玉とし、胴つきの米粉と一年越しの陸奥山の芋を合わせて薯蕷生地として…その生地で再度餡玉を包み蒸し上げた二重包餡の「薯蕷饅頭」。木の芽を捺して表面を焼いた…」薫風のお饅。
ストレートにものすごくおいしい薯蕷饅頭。
生地は伊勢芋のようなフワンフワンタイプではないけれど、しっとりとなめらかさが感じられる生地で、生地そのもののおいしさにも目を見開きらかされます。
中餡の二重包餡、これ言われなければ、ツルッと食べてしまったくらい馴染んでました。この外側の丹波こし餡が生地のなめらかさ、絶妙なしもっちり感を支えているように感じました。
(製造日翌日だったせいか)美しい木の芽は香りというより佇まいを楽しませていただきました。
こちらの薯蕷饅頭はまたぜひいただきたい。佳品だと思います。
今回、生菓子をいただく機会に恵まれてほんとうによかった。
遠出が可能になって枚方の伯母と従姉に会いに行ったら奈良まで足をのばそうっと。
萬御菓子誂處 樫舎
樫舎Instagram
・上生菓子:3個入1140円(税別)
★おまけの話★
内田春菊さん初の和菓子コミック「あんころろん」。
第一回配信スタートしました!
掲載は「comicタントVol.5』。
ダメ男丸夫と同棲中のダンサー、ロロちゃんが謎の和菓子女、ユキタカコと出会う、その第一回。ここから和菓子ライフがはじまる。監修は高由貴子(あんころりん)、見てね。
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その紫色のは存在すら知りませんでした。
ご存じと思いますが、樫舎にはカウンター席が
あってご主人の講釈をききながらのお菓子も
またいいものです。
滅多に拵えないのだそうです。はい、お店でゆったりいただきたいですねー。