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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2020年06月07日

人生初のたい焼き修行〜その2

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実録「はじめてのたい焼き修行」の続き・・・


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・・・です。

前回
一丁焼の名店「江戸川ばし浪花家」の旧鋳型を手にしたワタシ。
師匠「一丁焼このは」サトー氏の指導のもと初の「たい焼き修行」に入ったところ、まで。


ここからは備忘録です。


修業の場である「このは号」車内は天井高が充分ないので、椅子に座っての作業。

ガスによる火床の幅は90〜100aくらい奥行き20aくらい、かな。
家庭の五徳と違って縦横均一にまんべんなく火が行き渡るようになっています。

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ごく薄く、でもしっかりと食用油を塗った型を火床に置いて、型を温めます。

今回、温め加減は師匠におまかせ。
これは経験を積まないとわからない、みたい。


温まった型を専用の台に置いて、型に生地をほんの少し、おたまで流すというより“乗せて”いく。

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“つぶしあん”ははじめにヘラで形を整えスタンバイしてから、その上に乗せます。


この整え方も重要だそうで、はじめは師匠が用意したものを置きました。
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大切なのはこのとき、餡が型に直接触れないようにすること。
餡がついたところから焦げついて、後々まで面倒なことになるからです。

一発で決まらないワタシはヘラで整えていきます。

次に、生地を上からかける。

底に敷くよりもやや多めに、あん全体にまんべんなくかけて尻尾のほうまで行き渡らせます。
生地は多すぎても溢れてしまうし、歩留まりが悪くなるので微妙なさじ加減。

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型を閉じて、底になっている方が上になるようにひっくり返して火床に置きます。
軽め、とは言っても2キロはあるし柄の先にボリュームあるので、ちょっと緊張しつつはじめての火入れ。

じっと待つこと3〜3分半くらい。
師匠は時間を計ることなく、様子を見ながら「はい、そこでひっくり返して」と指示をします。

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なんでわかるの?と訊いたら
「勘」。

・・・失礼しました。
お若いけれどこの道T5年、経験を充分に積まれた熟練職人ですからねー。

返してからさらに3〜3分半ほどで「はい。いいでしょ」
おそるおそる開けてみると

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おおおおおおおおっ!
できてるやーーん。
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師匠も「あっ!きれいに焼けてるよ」と思った以上の仕上がりみたい。
記念すべき、初たいやき。
さっそく、試食してみると・・・・


パリつ サクっ トロっ


うっそー
おいしいいいっ!


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驚いたことにまじ美味しい。

あんの甘さが足りないことを除けば、食感はワタシ的にほぼ合格。
こういってはなんだが、それなりの数を食べてきたけど、一定レベル以上の焼き上がり。

師匠もはじめてでこんなに上手に焼けるなんて・・と
ややガクゼン(笑)としていたけれど・・

粉のチョイス、生地の配合、あんの成形、型の温め方、焼き時間は師匠が培ってきたものなのであたり前って言えばあたりまえ・・。


これはやはり型の完成度によるところがものすごく大きい、に違いあるまい。


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とは言っても、生地を流したのはワタシ自身だから、すっごくうれしい!


皮のパリッとした仕上がりに驚いてらした師匠の話では
どうやら“あんの糖度”とも多少関係があるみたい。
なるほど、糖が多いとその分、水分も増えるし熱によってカラメルがでるからね。



とにかく予想をうわまわる仕上がりに
すっかり気を良くして、2度、3度と練習練習。


5枚目からはあんの成形も自分でトライ。
仰るとおり、これがなかなか難しい。


あんが滲んで焦げ目ができたり、厚みにばらつきが出てしまったり。
それでもまあまあ の焼き上がり。

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表(上)はまあまあ
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一丁焼にありがちな“裏のアバタ”、ここに差が出ちゃう



返すタイミングもなるべく時間を計って。
自分でも考えながら後半にもう一度試食してみた。


やはり「イケる」。




師匠自身もこの粉の意外なポテンシャル=「おせんべい並みのパリパリ仕上がり」に驚いてました。

一回、間違えて2度焼きしちゃって激しく焦げたけど、それを除けば初めてにしては見た目もまずまず。

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うっかり3回焼いちゃった おこげ君



最終的に焼き上げたのは試食分を含めて11尾。
時間はかかったけれど、充実感300%!



締めは大切な型のお手入れ。
しっかりと焦げを落として、薄く油を塗って、紙で包んで。
これまた、今回は師匠自らが丁寧にしてくれたけれど、次回は最後までやらなくては。

いただいた専用紙箱に収めて、リュックに淹れて二キロの鋳型とたい焼き9尾を背負って、ロードバイクでT0キロ走行して帰宅。


箱の中のたい焼きブラザーズ
時間が経つとさすがにしっとり。


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くつろいだらしく軟弱なフォルムになっていた。



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さっそくそのまま食べてみたところ

・・・・

す、すごい、やっぱりおいしい。

日頃「ほんとうにおいしいたいやきは冷めてもおいしい」が持論のオイラ。

ヤバい、自画自賛せざるを得ない状況だ。
小豆がよいので、甘くなくても軽食感覚でとてもおいしいのだから自画自賛2。


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楽しみにしていた家族も「うまい!」の反応。

グリルで温めてみると、蘇る“パリッ”と感。

すげえ。
焼きが下手でもこんなにパリパリに再生できるなんて。

「このは流」レシピの完成度の高さを実感させてくれました。

この日半日で4尾食べちゃったけど、お腹にもたれないのだから、まあ、なんてヘルシーなのかしら。

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残った5尾のうち2尾は冷蔵、3尾は冷凍。

後日、食べてみるとやはり自画自賛街道まっしぐら。


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コゲコゲの3度焼をムリくり二枚おろしに これが焦げたおせんべみたいでそれなりにイケる


師匠からは
「最高にいい型をお持ちなのですから、飽くなき探求心を生かして有名店をも凌ぐ美味しいホームメイドたい焼きを」目指すよう、ありがたい励ましのお言葉をいただいた。
そのうえ、練習用にとご自身がお使いの粉までわざわざ拙宅までお持ちくださった(ホントはねだったんだけど)。

「このは」さんのようなたい焼きはさすがにムリだけど。
そこそこ本気で「超おいしいホームメイドの一丁焼たい焼き」道に励もう、といまは思ってます。


「一丁焼このは」さんには何から何までお世話になりました。

そのうえ、お父さまが栽培したといういちごまでお土産にいただいてしまった。
(このいちごがこれまでで一番!おいしい苺、たい焼きの美味しさを忘れるほど)

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この苺のためならたい焼きなんぼで焼きまっせ


心の底からお礼申し上げます。
ありがとうございます。

あんこ炊かなきゃ。

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posted by あんころりん at 16:50| 東京 ☀| Comment(0) | かき氷、たい焼き&今川焼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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