6月30日は「夏越の祓」。
ことしは奈良「萬御菓子誂処 樫舎」の・・・
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・・・水無月をいただきました。
樫舎は三角の台に外郎生地ではなく葛製を用いています。
折々の掛け紙の一貫して抑制の効いた意匠にセンスが滲む
ひと箱に四つ収められた水無月、これがタダモノではなかった。
伝票に「丹波大納言2、備中白小豆2」と書かれているけれど・・。
紙箱を開けると・・・・
む、丹波大納言 よっつ・・・?
添え書きを読むと
「丹波大納言と備中白小豆の皮と実をそれぞれ手作業で濾し分け漉餡にし、吉野本葛を合わせて蒸しあげ・・・」
・・・・!
さらに
「丹波大納言を丁寧に炊き、十日間ほどかけて少しずつ濃い蜜に漬け替え甘納豆に仕立て厄除けの赤い小豆として表面に掛け・・・丹波大納言を濃き赤、備中白小豆を白と見立て紅白本葛の水無月をお箱詰させていただき・・・」
紅白!本葛!
なんてまあ 心踊る水無月でしょう。
お話では神社(記憶によれば手向山八幡宮)に納めることから紅白の水無月に仕上げたのだとか。
上菓子のお店では葛で拵えた水無月をしばしば見かけますが。
吉野本葛のお菓子を真骨頂とする樫舎ならではの ほかにはない格別な、手の込んだ仕上がりです。
丁寧に蜜漬けされた大納言はまったりとした食感でしっかりと甘く
餡と合わせた葛生地は葛焼きとはまた違ったよりなめらかで水分を感じさせてなめらか〜。
とりわけ白小豆バージョンの洗練された味わいに感激。
通常は大納言派ですが、この白小豆水無月、すごい。
その日のうちに食べきれるかしらという杞憂はどこへやら。
するするするっといただけます。
もっと食べたいくらいだが、
家族が楽しみにしているので蓋をしめました。
これまでにない、素晴らしい水無月にココロ震えるほどの感激を味わいました。
ありがとうございます。
あらためて。
”夏越の祓え”は1年の折返しにあたる6月30日に半年間の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する伝統的な神事です。
京都では上賀茂神社の夏越神事をはじめ、多くの神社が茅の輪くぐりや人形流しなど行ってきました。
(けれど、今年は一般参加不可など、これまでにない状況)。
首都圏では湯島神社や鳥越神社、鎌倉「鶴岡八幡宮」などが6月30日に大祓神事を執り行い、茅の輪くぐりも行ってきましたが。
(今年は湯島神社は参列不可、鶴岡八幡宮は17時の回のみ)。
エアコン効きまくりの現代はピンと来ないかもしれないけれど、かつての旧暦6月30日は暑さ厳しい夏の盛り。
いま以上に体調を崩しやすく、疫病で命を亡くす方も珍しくなかった。
おそらく江戸時代以前、無事に夏を越えるか否かは生死に関わる重要な問題。
こういった行事も単なは形式ではなく必要な手はずだったのだろう、と想像に渕くありません。
2020年のいま、かつてない感染症の拡大に戸惑い怯え、右往左往しながら不安を抱える人々がアマビエさまを信じて頼るのと同じか、それ以上の心持ちだったのでしょう。
(と言いつつ、covid 19 とは関わりなく紅白水無月をいただきましたが)。
「小豆」は古来、魔除けの力を信じられていたので厄祓いとして、また栄養価の高い豆で滋養をとる目的もあったのでしょう。
そして「三角」の形は氷を表すといわれています。
これは室町時代、旧暦6月1日を『氷室の節会』といい、御所では夏痩せしないとされた「氷室(ひむろ)」の氷を取り寄せ、貴人たちはこれを口にすることで暑気払いをしたのだそう。
「氷室」とは冬の氷を夏まで保存する貯蔵場所で、地下など冷涼な場所を利用して作られたものです。
しかしながら、貴重な氷室の氷が庶民の口に入ることなどありません。
そこで、氷の破片を表した三角形の菓子「水無月」で暑気払いをした、と言われています。
その後の話はこちらの水無月特集に詳しく書いています
寺社での夏越の祓をするかわりに、いまからでも遅くはない。
菓子屋で水無月を求めたら、厄払いしましょうか。
萬御菓子誂處 樫舎
樫舎Instagram
・4個入水無月(丹波大納言2 備中白小豆2) 1900円+税 別途クール便送料
★おまけの話★
#内田春菊 さん初の #和菓子 漫画『あんころろん』第3話の配信スタートしました!
今回はあの“”#オフイビラ源吾農場 の有機エリモ #小豆 がメインテーマ。主人公ロロが初めてあん炊きに挑戦。その結末がなんとも・・掲載はWEBマガジン「comicタントvol.7」
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