「観月奠」。
かんげつでん という銘のあるお節句菓子は毎年・・・
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・・・十月、お月見の十三夜とその前日の二日間に限ってこしらえます。
(なぜまた年末に十月?十三夜・・?と思われるかもしれないけれど、今年、書き残したお菓子をできるだけ書いておこうと。)
さて
「亀廣利」は京都「亀末廣」より六代目別家亀廣利として暖簾分けを拝領し、昭和56(1981)年に開業。今年で40年目を迎えました。
「観月奠」のような節句菓子に、七夕だけにこしらえる京都「亀末廣」の(きっこうでん)があります。
亀末でも観月奠も調整しているそうですが、十三夜そのものがマイナーせいか、こちらはあまり知られていません。
亀廣利も乞巧奠、観月奠など年に5回、節句菓子をこしらえています。
観月奠〜月のたむけ、の
箱の中には以下の7種類のお菓子が杉の台座に彩りよくおさめれています。
しおりには
「月のたむけ七種」
十三夜(粟羊羹)
月見団子(薯蕷)
女郎花(求肥餅)
小芋(こなし)
枝豆(州浜)
柿(片栗薯蕷)
栗(落雁)
とあります。
ひとつずつ見ていくと
・十三夜
小豆煉羊羹薄く敷いた上に小倉羊羹と粟羊羹を載せています。
この小倉羊羹がおいしい。亀末廣の大納言羊羹「古の花」の大納言を粒の小豆に変えたような。
根底に流れる味わいが似ていると感じます。
・月見団子
つくねいもを使った薯蕷饅頭で中は黄味あん
・女郎花
求肥餅に黄色く染めたいら粉をつけて、中は栗あん。
・小芋
小芋を模したこなしで中は小豆こし餡
・枝豆
州浜。周りに砂糖をまぶしています
・柿
片栗薯蕷って聞き慣れないけれど、薯蕷つまりヤマイモを使った落雁のこと。
なかは柚子あんです。柿あんではありません。
店主塩澤さんのお話では土地柄、お干菓子にも中餡を入れたほうが喜ばれるのだそう。なので大きめの干菓子が多い。
・栗
落雁。香ばしい玄米落雁に中は小豆こしあん。落雁は黒糖を使っているように感じました。
ワタシ自身は「十三夜」が圧倒的に気に入りました。
小倉羊羹の棹物は栗羊羹が終わった真冬の短い時期につくるそうです。
亀廣利もまた茶席用菓子を得意とするようで、店主である塩澤利光さんはことのほか干菓子・半生菓子の探究心に富んでいるように感じました。
亀末廣で学んだ菓子づくりを礎に、さらなる味の向上を目指しながら、亀末廣では見かけることの少ない薯蕷落雁なども会得されています。
亀末廣と同様に乞巧奠、観月奠などの節句菓子も調製しており、それぞれ発送も受けています。
●亀廣利(かめひろかが)
●月のたむけ〜観月奠 かんげつでん(2800円):小豆 白小豆 砂糖 黒糖 和三盆糖 糯粉 上用粉 小麦粉 片栗粉 黄粉 州浜粉 玄米粉 つくね芋 寒天 柚皮 柚香料 玉川アラレ 卵黄 着色料 桂皮
(※桂皮と黄粉ってどこに使ったの?)
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