藤紫のつぶあん
四国の白味噌を使ったり
非売品 能登大納言甘納豆
まもなく5月も終わり
タイムリーでないことはなはなだしい・・・
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・・・
けど
巣鴨栄太楼の柏餅がとても美味しかったので。
昭和34年創業の巣鴨栄太楼。
間口の広いお店には日々のおやつに相応しいベーシックなお菓子が並んでいます。
けっして華やかではない朝生菓子が中心ですが
すべて手づくりして、そのひとつひとつに心配りがあります。
ですので油断(?)して食べていると「はッ」とするようなおいしさで出会います。
秋にこしらえる栗蒸し羊羹や栗しぼりもそういったかんじでした。
今回は柏餅。
季節のお菓子の中でとりわけ広く親しまれているのが端午の節句の柏餅。
昨年、今年と緊急時代宣言下とあって、あちこちの和菓子屋さんでは行列をなしていた
そのいっぽうで朝生菓子のなかでももっとも手間がかかるのも柏餅。
熟練した技術を要する、とワタシは思う。
ちょっと長くなりますがざっくりとした工程を説明すると
・・上新粉(うるち米の粉)を水で捏ねつけてから、せいろで蒸かし、さらに生石臼にいれて杵(胴搗き機)で搗く。
その生地は一旦水に入れて荒熱を取り、再び臼に入れて搗く。
搗きあげた生地は手早く一個分ずつちぎり分けてから小判型に伸ばした皮で、あん玉を包み込みながら形を整え、さらにもう一度せいろで蒸しあげ、最後に冷めてから柏葉で包んで仕上げていく。
つまり
捏ね一回、胴搗き2回、蒸し2回を行い、その途中に包餡と成形も行う。
どーです、つくる気しないでしょ。
しかも
コシのあるだんご生地を小判型に伸して、割れないように折り包むなんてシロウトには神業。
そんな手間暇をかけて仕上げた柏餅であっても(真当な餅菓子であれば)
その日一日で売切らなくてはならない。はなはだ効率的によろしくないお菓子。
柏餅が抜群においしいお店ってのはそれだけでリスペクト。
で「巣鴨栄太楼」。
ここはおだんごの生地がおいしいのだから、柏餅だっておいしいはず。
とは思っていたけど、予想以上。
もち生地の食感が群を抜いてる、秀逸でした。
のど越しっていうか
つるりとしたような歯切れのよさは他所ではあまりないかんじ。
柔らかいのに、噛めばプリッと弾力を感じさせる。
訊いてみると、
材料の上新粉は通常の細かいタイプにやや粗挽きにした粉の2種類をブレンドしているのだそう。
ワタシの知る限り、そういった柏餅はこちらだけ。
もちろん胴搗きです。
やはり餅は餅屋だ。
そして
豆の渋きり3回、水晒し4〜5回という(豆の風味損なわれないのが不思議ですが)、尋常ではなく手間のかけた小豆あん。
材料にエリモ小豆“藤紫”と白双糖を使い
渋きり3回、水晒し4〜5回(!)と、ありえないくらい手間をかけただけあっておいしい。
風味があるのに雑味が感じられない。
豆の風味が損なわれないのが不思議です。
ワタシなんて水晒し2回やったら豆の味なくなっちゃいますから。
白あんベースの味噌餡は甘さ控えめのやや辛口で後味すっきり。
訊けばほとんどの菓子店が甘い京の白味噌を使うなか、店の味に合うからと四国の白味噌を選んでいるのだそう。
今年、リピートした柏餅はこちらだけ。
2021年ベスト柏餅でした。
ついでといっては失礼ですが
こちらの甘納豆もめちゃくちゃ美味。
能登大納言小豆を使った自家製ですが、ひなあられに使うもので単独販売はしていないのだそう。
唯一、上生菓子の鹿の子に使うのだそう

能登大納言鹿の子
甘納豆専門店以外の和菓子屋さんとしてはマイベスト甘納豆でした。
◎巣鴨栄太楼
・2021年度の柏餅:220円:上新粉(国産)、北海道芽室産エリモ小豆、北海道産大手亡豆、よもぎ、白味噌、水飴、着色料
★おまけの話★
この2ヶ月間、なんだか慌ただしかった。
そして昨日23日は不祝儀。平たく言えばノーコツ。
お供物は甘夏と豆大福と押上せんべい。なんてことない豆大福、下げてからいただいたけどなんだか美味しかったな。
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