名古屋の舘林製餡さんから生こしあんをご提供いただきました。
北海道産小豆と北海道産大手亡豆を材料に、甘みは・・
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・・・ありません。
“生こしあん”とはざっくり言えば
豆から炊いたこしあんの、水気を絞れるだけ絞ったさらさらの餡。
手ざわりは湿り気のある粉末。
個人店や家庭でつくった場合はもう少し水分が多くなります(製餡所は油圧ジャッキなどで絞る)。
ワタシがつくるとサラサラとはほど遠い。
“手亡豆”は馴染みが薄いかもしれないけれど、じつは白あんの材料として広く普及しています。
名前は知らなくても、
煉切やきんとん、黄味しぐれ、栗まんじゅうや桃山、抹茶あんや柚子あんなど・・・
白あんベースのお菓子のおそらく9割以上が白手亡豆や大手亡豆を材料にしています。ですので口にしている人は少なくない、はず。
和菓子店の多くは白生あんを製餡所に託しています。
ワタシが知る限り都内でも白あんを豆から自家製する和菓子屋さんはごくわずか(10店に満たないくらい)。
そう考えると市場に流通している和菓子の多くは製餡所の白生あんの質にかかっている、と言えなくもない。
ヘタな解説はともかく
生あんは鮮度が命。
手にしたら、すぐに炊かないと。
ワタシの場合、練りあんは
鍋(さはり)に分量の水と砂糖(素焚糖)を煮立たら、生あんを一気にくわえて木べらで焦がさないように慎重に煉る。
煉りあがったら、水気を絞った清潔な布巾の上に木べらで小分けに乗せていく。
煉りすぎ禁物。なぜってあんは冷めると締まってくるので、最終着地点より少し柔らかめで止めます。
和菓子屋の多くは生あんを並あん、中割あん、最中あんなど用途によって水分や砂糖の割合を変えます。
一般的に並あんは配糖率(株じゃないよ)6割前後が多いみたい。
でも我が家は5割でも甘すぎる。
ワタシは砂糖に素焚糖を使うので、白あんは茶色っぽい仕上がり
基本、自家消費だから日保ちを考えないで好きな味に仕上げています。
この日はで今回は配糖率47%、水は70%。
大手亡も同じ(こっちは少し水分を多くするつもりだったけど)。
舘林製餡さんのとても上質な生あん。
そこに好みの砂糖で好みの味。
おいしくないわけがない!
バゲットに寒天に、そしてそのままガッツリ。
残りは小分けにして冷凍。
そのまま食べるとすっごくおいしいあずきアイス。
解凍して水ようかんに仕上げてもすっごくよかった。
舘林製餡さんは昭和24年創業、
現在、3代目となる女性職人mdrさんが営む名古屋の製餡所。
小豆や手亡豆などの原材料はすべて上質な国内産使用。
ちょっとしたきっかけからつながることができました。
生あんづくりには“さらし”の作業と冷却用に大量の清浄冷水が必要ですが
舘林さんは冷涼かつ清浄な井戸水を使うのだそう。
注文に応じてさまざまな要望に対応しており、名古屋で茶席用上生菓子の指折りの名店へも生あんを納めています。
プロ向けの生あんだけでなく、
一般向においしい小豆の粒あんやこしあん、蜜漬け小豆粒あん、青えんどう餡、
それからそれから抹茶やほうじ茶、マンゴーやさつまいもなど超魅力的なアレンジあんも店頭で量り売り。
さらに
最中セットやマンゴーやレモンの水ようかんなど、自家製和菓子を販売されている。
ワタシも粒あんなどいろいろいただきました(画像はいずれまた)。
名古屋にお住まいの方がうらやましい。
・舘林製餡Twitter⇛製造過程、各種あんなどアップ
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