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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2005年08月05日

江戸の真の老舗『越後屋若狭』の「水ようかん」(完全予約制)

aloha 861.jpg

↑水ようかんは紙箱入り。経木をかぶせ桜の葉をのせて。<

さて
何から書きましょう?
・・これは私が買っている「当日限りの生菓子」としては
最もお値段の張るものです、・・などと、
えげつない書き出しは似合わないし・・。

まずは、

現在東京で
江戸創業の和菓子屋としてはおそらく最も歴史ある
『越後屋若狭』 (墨田区千歳1の8の4)。
本物の江戸の生え抜き の菓子屋さんであります。

創業は1765年とも1740年頃とも聞きます。
240年ほどの歴史を持つ老舗中の老舗です
(※えっ虎屋とかは?と思うでしょ。
ほとんどの上菓子屋は(虎屋なども)創業は京都。
江戸遷都に伴い宮中にお供してやって来てる。)

江戸時代のガイドブック『江戸買物独案内』(1824年刊)
にはすでに『本所一之橋角 越後屋若狭』紹介されてます

クリックね。↓忠臣蔵の『吉良邸』。お店までは5分ほどで。
aloha 816.jpg

現在も
『本所一つ目抹茶菓子』の名を残し
主に茶席などの月ごとの上菓子をこしらえています。

練りきり なども大変評判が高く
その繊細さに魅せられてご贔屓も多いそうです。
(夏季は葛まんじゅう、錦玉に変わる)

特に昔から文人や歴史上の政治家に愛され、
夏目漱石、棟方志功、伊藤博文など・・
また中村汀女などはここの「玉椿」を歌に詠んでます。
現在も「東京の最高の和菓子店」と評する人は少なくありません。

宣伝もせずに店頭販売もせずに
街中とは外れた場所でひっそりと、和菓子をこしらえる。

実に江戸らしい品性を感じます。
商業主義に走らずにこの歴史を支えているのは
もう実力以外ないでしょう

すべてのお菓子は完全予約制
「近所まで来たから」とか「これもうひとつ下さい」
と購入することはできません。
が、気取った様子はないので安心して購入できます。

−もちろんこの『水ようかん』も予約制。
時間に合わせて調整しているようです。
一番小さいものでお値段はひとつ、二九四〇円。
もちろん その日限り の生菓子です。
夏目漱石の好物、とも聞いています。

↓クリックして拡大。寒天とあんはぎりぎりまで抑えて「瑞々しさ」をお菓子にした名品。

aloha 868.jpg

「なるべく早くお持ち帰りになって
よく冷やしてお召し上がりください。」と言われるように
それはそれはデリケートな『水ようかん』です。

よりに寄って36度の炎天下に徒歩&電車。
さすがに自転車ではこのお菓子は買いに行けない。
冷却バッグ持参ですよ。
小さな努力。

「水ようかんがすごく好き」という7月16日の記事で
「何でもおいしい貧乏舌」と書きましたが
おいしさのレベルの差はちゃんとあるんです、一応。

・・さていただきます。
厚さが4センチのはがき大で一応8人前ということです。

aloha 864.jpg

クリックね。↑経木を除いて。


え〜。ほんとに無粋ですがこちらの『水ようかん』さんは
135ミリ×105ミリの40ミリ厚さで体重528グラムでございました。
失礼。

個人的に
おいしい水ようかんには「水をいただく」ものと
「寒天であんを味わう」ものがある
、としてます。

こちらは「水をいただく」の代表的なものです。
よーく冷やして口に入れると
水のうまさが広がり
さらさらとこしあんの風味がはかなく消えていきます。
でもこれがたまらない。

aloha 879.jpg

↑木のさじで取り分けても、「ふるり」とくずれそう。



するり、するり、とあっという間の出来事です。
はい4分の3は一人でいただきました。
満足感とちょっとだけ自責の念の余韻・・。

どなたでも夏にいただけば
「ほーっ」とため息の ほんのり甘い清涼感にひたれます。

材料は
「ただ当たり前のもので当たり前に作っております」とのこと。

「江戸の老舗の味を今に伝える」などどいう賞賛は
『越後屋若狭』にこそふさわしいことばです。

※現在お店は仮店舗(墨田区千歳1-8-213631−3605)にて営業中。
今年いっぱいはこのままですが、
元々のお店(普通の民家の佇まいだったが)のすぐ傍です。

―なお未確認ですが「池袋西武」に土曜日に予約販売で出ることがあるそうです。
気になる方はお確かめ下さい。
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posted by あんころりん at 23:23| 東京 🌁| Comment(7) | TrackBack(3) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!こちらも有名なお店ですね!水羊羹おいしそう!瑞々しい感じが伝わりますね!私今お気に入りの水羊羹を上回る水羊羹を探してるのですよー!お店いろいろで全然瑞々しさが違うので楽しいです!
Posted by 生栗和栗 at 2005年08月06日 19:52
うっわー、すごーーーい\(∂o☆)/!

おいしそう〜あんこの色綺麗〜!!
「水を味わう水羊羹」・・・なんてすごい。

これで¥2940とは・・
すごい高級ですね。
それも完全予約制なんて・・・・

老舗のプライドを感じます。
いつか食べてみたいな!!
Posted by あずきらいふ at 2005年08月06日 22:38
暑いですね。
お元気ですか?コメントありがとうございます。

★生栗さん
水羊羹てほんとにいろいろですよね。
どれも好きだけどここのは「歴史」もひとさじです。
★ターシャと呼ばせて
本当にすごいきれいなお菓子です。
技巧でなく素材の美しさが最高にうまく伝わる和菓子です。
高級な和菓子は割と「また今度」の私でもこちら「水ようかん」は予約を入れても「え〜い食べちゃえ」と(すごく思い切って)買っちゃいます。
老舗のプライド!さすがターシャは本当に的を得た表現をいつもしてくれますね。さすがじつは90歳・・なんてね。
Posted by あんころりん at 2005年08月07日 14:56
はじめまして!こちらのお店のサイトを探していたところ、たどり着きました!?ホントに美味しそうですね〜。私も買いに行ってみたいと思います。おっと予約しないと!それからTBもさせていただいちゃいました。まだ慣れないもので2回してしまったようでゴメンナサイ。。。
Posted by しろ at 2005年09月13日 23:12
★しろさん
はじめまして、ご訪問ありがとうございます。
とてもおいしいですよ、おすすめ・・・
でも、ひょっとしたら9月まで作っているどうか?
確認してくださいね。
TBもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
Posted by あんころりん at 2005年09月15日 15:27
平成18年7月のお菓子をお知らせ下さい。
7月31日お伺い致します。
何時までに予約すればよろしいか。
お知らせ下さい。
宜しくお願い致します。
Posted by 松浦昭 at 2006年07月27日 15:05
松浦昭 さま
こちらは越後屋若狭さんのHPではありません。
あくまで個人的に記事にしているだけなのです。
どうぞお店に直接お問い合わせ下さい。
3631−3605だと思いますのでご確認してみて下さい。
Posted by あんころりん at 2006年07月27日 20:01
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