
↑九月の御菓銘『初雁』です
裏千家では九月は「長月」。
明日からはもう「神無月」です。
さっさと書かないからぎりぎりですが。
『初雁』と 『小萩餅』
は共に長月の代表的な主菓子です。
九月の茶道の稽古は
「薄茶点前(お薄)」の風炉(注・参照)でした。
まず21日にいただいた
主菓子(甘味の充分な、量感のある和菓子)は
『初雁』 。
『初雁』は大きく分けると数タイプあるらしい。
頂いたものは
『白の「こなし」で小豆あん(こし)を包んで
1.5cmほどの高さの平たい丸型で、
月のような淡い色に仕上げ、
表面に「雁」の型を押して付けたもの』

↑クリックね、中は小豆あん
これは裏千家十二代(1931年没)の好みだそうです。
―ちなみに現家元はjazzもお好きな十六代目。
(たまにNHKなどでお顔を拝見。)―
しかし70年以上前の家元の好みが
季節の主菓子に当り前に出てくるのが
あらためて「すごい」と思う。
(まあ千利休の思想が受け継がれてるんだから、
当然なのか・・)
未だ、だめ生徒の門外漢なので。
他人事的に「へえー」とただ驚く あんころりん。
こうなったらずっと「だめ生徒」を貫くか・・
と、いうより優等生は不可能だし。
余談だけど、
茶道はその時々の家元の好みで
あれこれと仕様や流行?が
割りと左右されてるみたいです。

↑茶花は「風船蔓」。お庭のものだそうです
『初雁』に戻るけど
もう一つのタイプは
「羊羹仕立て」で、中に百合根を散らしてあり、
切るとその切り口に見える
「百合根」が雁、に見える、というもの。
これまた十四代(1964年没)の好み。
稽古ではあまり「羊羹仕立て」は出ないけれど
「百合根入り」のお菓子はとっても頂いてみたい。
―おいしいよね、百合根。
ってそういうことじゃないでしょう。
他にいくつか見かけたものに
「さゝま」は「葛の黒砂糖製」、
別な所で、初雁煎餅などもありました。
『初雁』だけで少なくとも
4つのお決まりパターンがあるのですね〜。
知らないことばかりだ。
・・でも「雁」って本物を見てもわからないが。
あの編隊を組んで飛んでるのがそうらしい。
都会ではなかなか・・鴨とは違うみたい。
まったく、こんな奴が主菓子のこと書くなよ。
ともあれ
『太市』さんの小豆あんの生菓子はいつ頂いても
本当においしい。
お薄と『初雁』に感謝です。
↑太市『小萩餅』飾りは「いら粉」
28日に頂いた
『小萩餅』も長月の代表的な主菓子。
緑色の求肥餅で白あんをくるみ
(菓子司によっては表面に白い「雪餅(せっぺい)」の粉
をまぶしているものもある。)
そこへ萩の花に模した
淡紅色の「いら粉」を飾り、仕上げています。
「いら粉」は寒梅粉(みじん粉)の粗めのもの。
落雁などにも使うそうです。
―今、気が付いたけど落雁の「がん」て雁なのね。
すごい偶然!
味は・・。まあ飾りですから。
この小さな菓子に様々な材料を使い分けている、
あらためて、すごいですねー和菓子って。
ちょうどこの時期に
秋の七草の「萩」の新芽が萌え出すので
『小萩餅』は長月の主菓子に。
↑緑色の薄い求肥餅で餡を包んでいる
緑色の餅に淡紅の粒で飾るのもひとつ
『小萩餅』の定番らしい。
ほんとに萩の花(画像です)の
萌える様子と比べるとうなづけます。
次は神無月、 『山路』あたりが頂けるのかな、
今から楽しみです。
しかし和菓子目当てで
茶道の稽古を始めるとは・・。
だめ生徒から抜け出ることは、
・・まずないな
(注)風炉。とは釜を掛け湯を沸かすために火を入れるもので鉄、土、板風炉などがある。
夏の時期(5〜10月)を中心に、炉を切る代わりに据えられる。( 「茶道入門」成美堂出版)
から引用
前に「百合羊羹」というのをほんの少し食べたことがあって(みんなで分けたらすごく小さくなっちゃった)、思いのほか百合根の味が広がってちょっとおいしかったのです。
いただいた百合羊羹のお店はたしか島根のお店でもう閉店されたそうなのですが、百合羊羹ってけっこうあちこちにあるんですね。製法はそれぞれ違うようですが。
わたしがいただいたのは蜜で煮た百合根を白餡に散らしてありました。
ああ、だらだらとすみません。
それから小萩餅。すごいわー萩だわーとひとり感心したうえに、家人も巻き込んですごいわー萩だわーやっぱり和菓子だわーとふたりで感心しちゃいました(そのわりに「明日ケーキ食べる?」なんて相談してますが:笑)
コメントは 長いほど 嬉しいな、のあんころりん。字足らずだけど。
百合根おいしいですよね。くわいも好きだが。
「百合根羊羹」ってあちこちにあるんですか。
すごいな十四代(無限斎、とおっしゃる)。
茶菓子やっているお店ならどこかにあるんでしょうね。探そうかしら・・。
小萩餅、最初みたときちょっとファンシーな色合いに、?でしたが萩の花見ると、へ〜〜と思います。御家族様もノリが良くて何より。萩みてモンブランでも頬張れば秋ですよー。
どちらのお菓子も季節感たっぷりです。
夕日のなかを飛んでいく雁というイメージでしょうか?それとも月?
小萩餅も紅萩の可憐な感じが出ていて優しげですね。なんだか味よりも見た目に食いついてしまいました。でもそれも和菓子の楽しみですよね?
風船蔓も茶花に使えることを初めて知ったんです。フェンスにからんだものよりやはり趣がありますよねー。
初雁は『月』のイメージだそうです。
「赤城の山」を連想しちゃうけど。
小萩餅は私的にも「味より見た目」でした。
茶の湯ではそういう事が多い私です。
美味しいブログですね!
お団子よりお花・・・といいたいとこ
ですが実はプチフラワーデザイナーの私
なんですがお団子もおもちもたべること
だーーいすきです!
初めましてこんにちは♪
楽しんでもらえたら嬉しいです。
素敵ですね、フラワーデザイン。花の色の美しさにも驚きますが、和菓子もきれいでしかもおいしいのが魅力でしょうか。私も花より団子にあんこに・・・果てしなく美味しいものになっちゃいそうです。