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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2005年10月10日

浅草シリーズ第三弾◇『徳太楼』まずは名物『きんつば』から

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↑モアイ像ではない。東京の空の下の「きんつば」

浅草シリーズの4回目は
『徳太楼』 (台東区浅草3丁目36-2 日休 10時〜19時)。

浅草の「表の仲見世」とは雰囲気の異なる
観音様の裏
大好きなお散歩コースのこの辺りは、
「裏道的」本格派のおいしい甘味の店もたくさんある料亭街。

『徳太楼』の風情あるの店構えにも、
かつてこの辺りは花街だったことが伺えます。

●現代的な『きんつば』のおいしさ

ご存じ『徳太楼』と言えば『きんつば』 。
と言うくらい
ここの『きんつば』 (126円)は人気もの。

ガイド本
には「1日に5〜600個」とも。

人気の秘訣はその「食べやすさ」でしょうか。

東京には「きんつば名物」のお店はたくさんあって
それぞれのおいしさがあります。

『徳太楼』のおいしさは
さっぱりした食べやすさにある、と思います。

特に「小豆」そのもののおいしさを楽しむために
「甘みを感じさせるぎりぎり」まで
甘さを抑えて、なお満足感がのあるおいしい「甘味」。
抑制の『頂点』みたいなものを感じます。

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↑クリックね、江戸風の植え込みと店構えに花街の匂い?

明治36年創業の老舗ながら
とても「現代的な味わいの和菓子」です。
創業当時と変わらぬ味、だそうで
本当に「江戸菓子」ってソフィスティケイトされている。

小振りで
皮が比較的しっかりある方ですが
その小麦粉の焼き目のうまさも同時に楽しめるところが
『徳太楼』の『きんつば』の魅力、と言う気がします。
早い話、
「たくさん食べられる」んですよね、ここのって。

●『徳太楼のきんつば』の特徴と材料(比較編)

以前紹介した一元屋よりさらに小振り。

「一元屋」さんも
かなり小振りで密度の濃い(48g)きんつばですが
今回『徳太楼』は3個の平均体重が41g
(ちなみに「山崎製パン」84円のきんつばは90gだった)

―ちょっと比べてみると
『一元屋』のは皮が透けてるようなしっとりした焼き目。
並びに「あん」の材料は“大納言小豆と氷砂糖、寒天、塩”です。

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↑クリックね、これは「一元屋」のきんつば

『徳太楼』は見た感じにも「皮」が完全に全体を覆っています。
しかし皮から中の小豆の色が透けて
スモーキーで柔らかな洒落た色合いです。

「あん」を四角く形にして
小麦粉を溶いたものをつけ、
手焼きでそれぞれ全六面を焼き上がるわけだから
・・うーん、時間かかりそう。
それでこの色合いが出るのね。

銅板で焼くというこの皮のおいしさと
中のさっぱりした小豆あんが相まって
「ぱくぱく」と何個でもいただけそうです。
(・・実際2個は軽かった。)

さっぱりとした『徳太楼』
「小豆あん」の材料は“小豆、砂糖、水飴、寒天、塩”。

きんつばの場合は
あんの材料に寒天を使うのも
余計さっくりした「小豆の固まり」への道かも。

あんに寒天や水飴など使うのも、
ポジティブな使い方と技術で
より、おいしい小豆のお菓子になるんですね。


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↑「徳太楼」のきんつばの断面。小豆あんの色もきれい。

●吉原の花柳界と『きんつば』の由来
現在の江戸風の『きんつば』には
さまざまな由来があります。
どれもすごく興味深いけれど
説得力あるな、と思ったものを貼り合わせると。

―京都で流行した
楕円形つば型の餡入り焼き餅(うるち米粉)が『銀つば』。
江戸の享保年間に江戸に伝わり、小麦粉の薄い皮の『金つば』に。

さて
なぜ銀から金へ?こんな話があります、
『ある大名が金無垢の刀つばを注文。
悪知恵の働くつば師は「周りだけ金で中は鉛」のつばを納めた、
けど、結局ばれて打ち首に』

これが
「うす〜い皮で「あんこ」がはみ出さないように包んで焼く菓子」
『金つば』が売り出されたきっかけ―
だって。

いかにも軽やかでしたたかな江戸町人文化らしいお話。
しかも製法にも則っているし。
この話がいいな。どう?

文化年間に
日本橋付近の屋台で最初に売り始めたのが
現在の『榮太楼』の前身
続いて、吉原の土手には「おかめきんつば」という店が
「土手のきんつば」は歌にもなるほど遊女に大人気に。

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↑クリックね、「四角いきんつば」
江戸幕末の頃の名前は『みめより』


幕末には浅草の馬道(徳太楼のすぐそばの道)では楕円ではない、
四角い『みめより(見目より心の意)』が売り出され大流行。
歌川広重の超ユニーク!な錦絵にも登場。
現在では「四角いきんつば」がポピュラーになりましたとさ。

『徳太楼』もやはり花柳界で人気のあったきんつばを
屋台で吉原へ売りに行った、という話は
ガイド本
にも。

●「きんつば」以外のすごい菓子たちきんつばが有名過ぎるせいか
徳太楼がとてもクオリティの高い和菓子店という事を、
知らない方もいるでしょう。
売り切れだった栗蒸しようかんやどら焼き、お赤飯
そして10〜5月には豆大福も
(これは「thetaな生活・・」のthetaさん に教えてもらった)
ばかりではなく「月2回だけの」うま〜い大福があるのだ!

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↑クリックしても大きくなりません、悪しからず。

というわけでここで次回予告しちゃいますが
浅草シリーズ第4弾は
『徳太楼』の特別な『大福』の予定です。
うまいっすよ。
【和菓子の最新記事】
posted by あんころりん at 18:34| 東京 🌁| Comment(10) | TrackBack(2) | 和菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
断面がすばらしい、芸術を感じました。
Posted by anco at 2005年10月11日 13:35
★ancoさん
あ、ありがとうございます。
ここまでストレートに言われると
ほんとに嬉しいです。
でも徳太楼がすごいんですよね。
しかし素敵な響きのお名前ですね。
親戚かも。
Posted by あんころりん at 2005年10月11日 14:31
「きんつば」は、あんこ好きの私にとって憧れのお菓子ですぅぅ!
徳次郎さん、贅沢なあんこ!
ぴしっとした皮の張り具合がおいしそう〜
・・・あ、いけない!眺めていたらついツバが・・これがほんとの「金ツバ」??
(すみません、しょうもなくて)

Posted by あずきらいふ at 2005年10月12日 07:38
★やっぱりターシャさん
こんにちは♪お元気ですか?
ここのは究極的に甘み抑えて
小豆の味を生かしてますから
きっとターシャはつばどころか
金よだれ(失礼)まみれかも。
Posted by あんころりん at 2005年10月12日 11:04
最近ご無沙汰ですわ、徳太楼・・・月2回の大福も1度だけ食べました。やはりあんこ&お餅が美味しいから当然のごとく美味しいのですよね〜
本当にいつも金つばしかフューチャーされないので、もったいないと思っていましたの。あんころりんさんにフューチャーしてもらえて嬉しいです。
そしてあの素晴らしい断面図。カット技術の高さはさすがです!!
Posted by theta at 2005年10月12日 13:49
★thetaさん
すごいですね、あの大福を体験済みとは。
さすが浅草通。
あんなに粋でおいしい+感じの良い和菓子店は
なかなかないのに
なんだか単なるきんつば屋さんの扱いですものね。
頑張って書きま〜す。
カット技術のお褒めありがとうございます。
Posted by あんころりん at 2005年10月12日 18:10
こんばんわ、あんころりんさん。ゆうかですが忘れられてるかもぉぉ。実はちょこちょこ来ていたんです、ここ数ヶ月忙しくて見るだけでごめんねぇ、いつも満足で帰ってました。そしてなんとゆうかの東京一大好きな「徳太楼」ですねぇ、まだ東京のお店いっていないとこ多いのですがここではかなり感動しました!噂を聞いていったのですが「きんつば・豆大福・赤飯」最高でしたよ、小豆が違うよぉぉと思いました。極めてゆうかの理想に近いお店です。こんなふうにまた見ちゃったら飛んでいきたくなりましたよ。また次のレポも楽しみです。
Posted by ゆうか at 2005年10月12日 21:38
★ゆうかさん
コメントが消えてしまって遅くなってすみません。
徳太楼はなかなか他にはない
素敵で粋なお店ですよね。
本当に和菓子好きには理想のお店。毎日通いたい位ですね。
私も大ファンです。今日またまた徳太楼関係でアップしたの興味があればご覧下さいね。
Posted by あんころりん at 2005年10月13日 22:17
徳太楼ですかぁ。私も和菓子好きなんですけどまだまだ和菓子の事に関してはひヨっ子ちゃんで、興味深く記事を読ませていただきました(^_^)v
徳太楼のきんつば食べてみたいです♪
私はコンビニダイスキですけどヤマザキのきんつばは一度食べたらもういいです・・・て思いました(w
Posted by bana-na at 2005年10月15日 00:11
★bana−naさん
TBありがとうございます。
コンビニに詳しいのですか。タイトルですものね。
ヤマザキのきんつばもあるんですね。
滅多に行かないので全然わからないんです。
いいものがあったら今度教えて下さい。
私も和菓子のひよっこです♪
Posted by あんころりん at 2005年10月15日 23:20
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