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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2005年10月13日

浅草シリーズ第四弾◇『徳太楼の豆なし大福』は月二回のうまさ。

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↑ぎりぎりの甘さが最高においしい『豆なし白大福』

いよいよ浅草シリーズも5回目。
今回も『徳太楼』(台東区浅草3丁目36-2 日休 10時〜19時)です。

●高いクオリティの和菓子屋さん

前回の
10月10日号の『きんつば』
がもちろん看板商品なんですが、
予告でも書いたように
実はとても「高いクオリティを誇る和菓子」の店です。

「御赤飯」やどら焼きなども大変人気あるし、
四季折々
今回、昼には売り切れだった『栗蒸しようかん』とか
夏の『小倉錦玉』など、さまざまな美味しい菓子があります。
そして10〜5月には豆大福も。
(これは「thetaな生活・・」のthetaさんに教えてもらった)


そして目からうろこ!
すご〜くおいしい『豆なし大福』 (147円)。
これは1日と15日、10〜5月中の月二回のみの販売です。
つまりチャンスは年16回だけ。
1日と15日というのがいかにも浅草らしい、
「お参りの日」ですからね。

●下町と寺社「1日と15日」の理由?

なぜに、以前は「豆大福」の存在に気がつかなかったのか?
それはお寺のお参りの日にも関係してたみたいです。

え〜と個人的な行動パターンの話で恐縮ですが。
下町気質の母は、昔から神社のお参りは1日と15日。
寺町へのお参りはお盆の7月とお彼岸。
浅草へは
1日と15日以外も、もちろん出かけているし、
あるいは売り切れの時もあったでしょうが、
とにかく「徳太楼の豆大福」に出会う確率はとっても低かったのね。

世間一般にも、縁日や神仏関係のお供えやお参りはこの日が多い。

a 010.jpg
↑クリックね、店内にも季節の香りを漂わせる

『徳太楼』も観音様の裏手の
※三業地にお店を構えているくらいだから
自らも御納めもするでしょうし、
ここらで商売する人々は
当たり前に毎月この日にお参り、お供えしたんでしょうね。

正月は御赤飯のみの販売というところも
いかにも下町の昔からの習慣を感じさせる。

『徳太楼』のお店とその周辺には
今では少しづつ失われていく
余裕ある心持ち(習慣)が未だ健在なのです。

 ●目からうろこ!の『豆なしこしあん大福』 

というわけで
今回はあえて『豆なしのこしあん大福』です。

タイトルに偽りありじゃないか、
「近所の和菓子屋さんの豆大福」はどうした、
と思った方(いないだろうけど)次の機会まで待っててね。

確かに
実を言うと最初はちょっとがっかりしました。
これまでの豆大福の記事にも
散々「赤豌豆あかえんどう、塩味の赤えんどう」と、
しつこく書いているように
何せタイトルだぜ)
赤えんどう好き(塩味)ですから。
しかもどちらかと言えば粒あんファンだし。

小振りなつるん、としたきれいな白い『大福』 。
「何だか上品で物足りないな・・」が第一印象

しかし手に取るとすでに「餅の好感触」が。
半分にして見るとすごくきれいなこしあんが形よく収まっている、
もう〜我慢できないっす。

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↑きりりと締まった『こしあん大福』

―いや、おいしい。
こしあんとしては最高においしいかも。
塩加減はもう理想的。 塩大福と呼んでもいいぐらいだけど
塩大福より「うまい」
これは「豆ないほう」が多分(いや絶対)おいしいでしょう。
初めて『白大福』を食べてそう感じました。

ここで無粋にも※糖度計登場です。
だって ぎりぎりの甘さですごくおいしいって
どれくらいの糖度が調べてみたい。

前回『きんつば』で書き忘れたけど
あのさっぱりした『きんつば』
3個の平均糖度Brix46.0%
これは今まで計った計測可能のお菓子中
最低の糖度です。

さて
この大福の糖度はなんと!Brix43.8%
このATAGOの糖度計で計れる
ぎりぎりの低糖度
です。
そうかここまで低くても技術と素材で
ぎりぎり「おいしい甘さのあん」が作れるのね。

さすが
『自家製の餡を使用する事を原則として、
それを頑なに守り』

続けてきた下町の名店ですね。

もこしがしっかりして抜群に良い味わい。
こしあんと餅の「味と量」のバランスも素晴らしい。

小振りと言っても62グラム。
これは岡埜系と比べると小さいけど
(「瑞穂」が前回116g、「上野駅前岡埜」が111g)
一般的には決して小さい方ではありません。
(こちらの豆大福よりは小振りだと思うけど)
浅草ではミドル級です。

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↑きんつばと白大福、それぞれ技極めたり。すごい

●粋な和菓子店『徳太楼』

その程良い量感に
江戸前の握り寿司も小振りだけど
あの感覚に通じる、を感じました。
(でかネタって何だか・・・。)
仕事をしっかりしてある材料を
小振りに小粋に仕上げたものを
「ひょいっ」とつまんでいただく。

芸者衆に人気だった『きんつば』同様花柳界好み の
粋ですごくおいしい『こしあん大福』 。
お供えするのにもこの形が見栄えが好さそうだし。

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↑クリックね、粋な縞柄。細かな意匠も洒落ていて素敵

粋な品揃えの
どのお菓子もすごい職人技を感じさせ
おいしくてリーズナブル、材料も良い。
しかも
グッドルッキングなお店で町並みとの調和も嬉しい。
意匠もどれも洒落てるし、細かいところが素敵。
こんなお店ですからお店の方も心温かい接客で気持ちよい。

こんなすごいお店そうはありません。
ここが一番好きなお店、という方も少なくない。
ほんとに近所に欲しいお店です。

あー三業地って
とってもソフィスティケイトされてたのね。



注※)三業地というのは料理屋、芸者置屋、待合の建設が許可された場所の事
注※今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
(一応3回ずつ計測してるけど)
ちなみに、この数日前に私が計測した
「雪印コンデンスミルク」はBrix約69.8%でした。

【豆大福の最新記事】
posted by あんころりん at 18:23| 東京 ☀| Comment(11) | TrackBack(0) | 豆大福 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大福のお味を思い出しました〜(T^T)
私も普段は粒あん派なのですが、ここのは漉しあんでも頂けるのです。あの店構えのきりっとした感じにお店の信念が通っているような・・・もちろんお味にも。
浅草に行きたくなってきましたよ♪
Posted by theta at 2005年10月13日 22:05
★thetaさん
あのこしあんは最高です。大福的にもワンオブザベスト、と思います。お店の佇まいも素晴らしいし。まさしく、きりっとしてますね。
思い出したら食べたいですよね、いってらっしゃ〜い。
Posted by あんころりん at 2005年10月13日 22:33
こしあんの大福は初めてみました。
包装紙と掛けてある紐の色合いが素敵です。
お江戸のデザインは粋ですね。
Posted by お茶の子 at 2005年10月13日 23:17
★お茶の子さん
こしあんは結構多いのです。
一番高級で人気のある豆大福もこしあんで。
徳太楼は何かとセンスの良いお店で
参考になります。
お茶の子さんも
大人の趣味人。利休ですね。
Posted by あんころりん at 2005年10月13日 23:28
まっしろで、つやつやか、もちもちしていますね。この姿だけで食べなくても美味しいこと”間違いない!”ですね。
Posted by anco at 2005年10月14日 12:38
★ancoさん♪
こんにちは。
さすがはancoさん、名前の通り大福がわかってますねー、さすが。
おいしい大福って見た目が麗しいんですよね。
和菓子が相当お好きですね。
ひょっとして私の知っている群林堂のファンの方ですか?
間違っていたらごめんなさい。
Posted by あんころりん at 2005年10月14日 12:52
あんころりんさん、こんにちは。
通りすがりのクミコフです。
先日京橋に所用があったので
出たとこついでに銀座線で浅草まで言ってまいりました。
ふふふ…。
前日に雷門おがわさんに電話しておきました。
あの男っぷりのイイどら焼き購入です。
ご主人とのお話も楽しかったです。
今日もランチは千疋屋だというのに朝からどら焼き食べました。
ジムのメニュー増やさなきゃ…。
次回の浅草は「徳太楼」と「梅むら」の豆かんだな。

Posted by クミコフ at 2005年10月14日 14:29
★クミコフさん!!
すばやい!
すごい行動力ですね、尊敬させて。
ご主人がお元気で良かった(少し前に療養されていたので)。あのどら焼きはサバイバル向きに
凄いボリュームでしょう。その食べっぷりはお気に召したんですよね?
偶然にも
昨日、千疋屋総本店前を「こんな場所で平日お茶してるのってどんな優雅な人々だろう」と
上目使いで通り過ぎ、「室町砂場」で蕎麦をたぐってきました。うまかったけど。
そうかクミコフさんもあの窓の中の方なのね。上目使い・・。
Posted by あんころりん at 2005年10月14日 15:30
すごいすごいすごい!
なんじゃ
この美しいこしあん大福は!

私は、粒派だけど、食べてみたい!って思っちゃいました。

しかし、月2回とは。。。
ありつくのは いつになるだろう。。。

今日のおやつは玉泉堂さんの 大福食べました〜
いい感じで解凍できます!
Posted by ゆっか at 2005年10月14日 18:15
美しい〜。頬ずりしたい〜。
これはやはり貴重な2日をねらって浅草まで出かけなければなりませんね。
Posted by kozue at 2005年10月14日 18:21
★ゆっかさん
でしょ、でしょう。これは名品ですよ、ほんとに。久々に美しく感動したっす。あんの種別を完全に超えてるのよ。玉泉堂は冷凍向きだったのか、良かった良かった。
★kozueさん
これはね、行かないとあきまへん。(あれ何で関西弁やねん)ていうぐらい、ねちねちと深くお薦めできます。白大福の名品です。最初がこの大福ならきっと「こしあんラバー」でした。あ、明日15日ですよー。
Posted by あんころりん at 2005年10月14日 19:19
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