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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2008年02月04日

銀座「空也」空也餅
最中も良いけど空也餅
空也双紙,蕎麦饅頭,求肥など上生菓子

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空也餅
空也双紙
草求肥

今年もそろそろ空也餅の季節も終わり。
昨年は2月の終わる前日に駆け込み
ぎりぎりセーフだったことを学習して
ふと思い立った土曜の朝に・・・・


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(↓小さな画像はすべてクリックで拡大できます♪)

電話で当日分の確認予約をして久々に銀座「空也」へ

空也と言えば“もなか”。
若干、手に入りにくいこともあって
幻とまで呼ばれるほどにその人気は超絶的です。
喜ばれる手みやげとして希少性はもちろん、存在感というか貫禄がある。
そりゃ知らない人もいるから、猫に小判、ってこともあるでしょうけど。

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↑イ〜イ匂い♪10個入り簡単箱

焦がし皮の香りと瓢箪型空也もなかのルックスは大好きだし、
すっげー安いなあと思いますが。
家でのおやつだったら断然生菓子類を好みます。

空也でも生菓子は日持ちしないせいか、
最中みたいにどばーっと何箱も買う人は見かけません。
おかげで今まで買い損ねたこともない。
生菓子通年ものと、季節ごとのものを作っているので
折々に思い立って買いに行きます。

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↑季節の生菓子、画像は化粧箱で

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↑羊かん、繊細で素敵な色、理想的に美味。
水ようかん程度のあっさりした甘さで練羊羹

中でも冬の空也餅はすごく人気がある。
例の如く夏目漱石が甘党大先生ぶりを発揮して
かの「吾輩は猫である」に空也餅をフィーチャー、 というのも理由の一つかもしれません。
空也でもめずらしく菓子箱の“志お里”にはその登場部分を抜粋してあります。

空也には明治の頃から文人墨客の贔屓が多いので
お菓子としての作品登場回数の多さでは群を抜いてるんじゃないでしょうか?
そのことは以前のこの記事でちょこっと書いてますが
小説ばかりか、例えばのれん空也双紙の文字は梅原龍三郎の書(を元にした)だとか
進物用掛け紙のキュートな文字が永井素岳のだとかその交流の豪華さはあげればキリなし。

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↑梅原龍三郎の書による空也の文字から。
双紙は2枚の焼き皮ってこと

が、空也ではごく当たり前のことなのか取り立てて喧伝したりはしない。
そんな些細なことが、江戸っ子っぽくでかっこいいなー、
と一目置いちゃいます。
何せこちとら、隙あらば何か自慢するネタを探す、
かっこわりぃ凡人ですし。

さておき空也餅は明治の頃から文壇デビューを果たし
おそらく空也もなかに次いでポピュラーな存在。
11月と1月後半から2月上旬の限られた時期に作るので
待ちかねて買うお客も多いから、まず予約をした方が無難。

もしもふらっと覗いて買えちゃったとしたら
それはものすごくラッキーかもしれないけど。
何なら運だめしにやってみます?

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↑最中や空也双紙とは異なる渋抜きのつぶし餡

空也もなかよりも好き、と言う人も少なくないこの人気者
よくさらしたつぶし餡をくるんだ“ころん”と可愛い俵型のお餅
一箱5個入りで、やや太った俵やら
一個ずつ押された焼き印も焦げが濃かったりかすれたり
ワシはこいつが好き、とかの親しみがわく人の気配が感じられます。
それにいかにも自家製という見た目は、
空也で予約して買ったんだ〜という満足感も裏切らないのが良いでしょ。

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半搗きにした粒々の残る餅米生地は釜炊きごはんを思わせるように香りが良い。
ざっくり言うとおはぎの中表を逆にしたような餅菓子
うるち米が混ざってのるかな、と思えるさっぱりした食べ心地が好きです。

空也餅以外の冬の生菓子もおいしい。、
この時期は黄味瓢、蕎麦饅頭、大納言入羊羹、空也双紙、草求肥、など。
昨年2月はこれに“浮島”が加わり、
今年の1月は“”というお菓子だったようです。

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↑浮島。洒落たトーンがたまらなく好き、美味だし

基本は一箱に6個6種類ですが、売り切れのものがあれば6個5種にも。
求肥餅羊かんは折々に変わるし
黄味瓢は秋から春まで、と季節ごとに楽しめます。
味も姿もどれもきっぱりしたかっこ良さで、
材料を吟味した新鮮なおいしさをくぃっと実感できます。

気に入っているのは。
空也ならではのすきっとした風味が際だつタイプのお菓子、
例えば、羊かん、蕎麦饅頭、空也双紙、浮島など。

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↑蕎麦饅頭。この“感じ”、かっこよく美味。

先日はたまたま空也双紙も売り切れで何となく見送りました。
未知の“”は来年までの楽しみにしときます。

そろそろ桜餅の季節、
これも楽しみ

※注 空也の過去記事一覧
小粋な「空也」の空也双紙とようかん・黄味瓢など
なぜ空也もなかは予約が必要なのか

◎おまけの話◎
店名由来関東空也衆
その踊り念仏に使うのが“瓢箪”ということから
最中や煉切の黄味瓢の形が出来たようです。
この空也念仏ってもののワタクシ的イメージが
例のハレ・クリシュナ教。
ヒンズー宗派のファンキーな打楽器のビートで景気よく踊りながら念仏を歌うように唱えるあれ。
60年代にはビートルズにまではまっちゃった
IMG_305020kimi(2).jpg ニューエイジ系のある種トレンドスタイルだった印象もあります。

で、この関東空也衆というのは宗教的集会というよりは、旦那衆がこれにかこつけて集まり
アフタースキーならぬアフター念仏の遊びが目的だったらしいです。
思うにこの関東空也衆のメンバーってことは
かっこいい道楽者のシンボルだったのかも?
違ってもイイんです、その想像が楽しいんだもん。
何せ初代は江戸城お出入りの畳屋だったのが
道楽が過ぎて倒産し、その後始めたのが和菓子屋だったそうだから。
この事は名著「東京老舗の履歴書」に詳しいです。

●お店データ
空也(くうや)東京都中央区銀座6-7-19  銀座並木通り
日祝休 10:00 〜17:00 土 〜16:00
要予約で。
店名由来はしおりにもあるように
初代が空也念仏の関東空也衆の一員であった事。

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↑今年の空也餅レイアウト(たまたま?)

●菓子のデータ
・空也餅渋抜きのつぶし餡入
5個入簡単箱1150円(一個230円)2008年は2月9日まで 
材料)アレルギー性義務表示物なし
測定体重約48〜g
測定糖度Brix約56.7% 
賞味は一日以下
・季節の生菓子
5個入簡単箱1150円(一個230円)
掲載画像の場合
◎2008年2月の内容
・「空也双紙」通年品=卵・小麦粉使用生地に小豆粒あん
・「羊かん」大納言入り 
・「饅頭」蕎麦饅頭(そば粉使用)こしあん
・「求肥」草 こしあん
・「浮島」白あん使用だと思う
●なお今年も桜餅は2月12日頃から3月桜の頃まで。

一応
◎「空也もなか」の詳細 
一月以上前からでも予約出来る。
ばら売りなし。簡単箱10ヶ入950円(化粧箱1,000円)より 
材料)
十勝小豆、砂糖、の粒あんと最中の皮
添加物保存料なし。日持ち一週間ほど。
当方測定糖度(2006年3月計測)Brix約67.5%
当方体重測定 見事に一個30g
※要予約


菓子データの()内gと%は当方による測定体重と測定糖度。
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした


【中央区の最新記事】
posted by あんころりん at 06:51| 東京 ☁| Comment(21) | TrackBack(0) | 中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この空や餅、とってもあんこがおいしそうです。
まだもなかもいただいたことがありません。
購入は予約が必要なんですね。一度はいただいてみたいです!!
Posted by min at 2008年02月04日 16:20
あんころりんさんこんにちは。 空也の最中、久しく食べておりません。
私は松屋裏の素敵な喫茶店でお茶うけに空也の最中が出され、確実に食べれるのでよく行きました。生菓子も頂いたことあります。すごくシンプルなのにため息をついてしまうおいしさですよね。また行きたくなりましたー。
Posted by トッコ at 2008年02月05日 08:33
今の私にはまだまだ敷居が高過ぎる「空也」。
しかも、最中だけと思っていましたが空也餅の断面に一目惚れしました。
是非、一度買いに行かねば。
東京って和菓子で季節を堪能できていいですね〜。

週末、吉祥寺に行くので「俵屋」さんの立派なおはぎを拝みに行きたいと思います。
Posted by モメ吉 at 2008年02月05日 13:08
minさん
遅くなっちゃってすみません。
おいしいですよ、空也餅。特にもなかは売り切れのことが多いので予約をお奨めします。そして空也餅は9日までです。予約は早めにどうぞ。
Posted by あんころりん at 2008年02月05日 22:19
トッコさん
野の花司?でしたっけ。行こうと行こうと思いつついまだ未踏なのです。空也のお菓子の削ぎ落としたような味・姿はホントに素敵ですね、私も喫茶の店で頂いてみたいです。
Posted by あんころりん at 2008年02月05日 22:46
モメ吉さん
そうおっしゃらずにぜひトライ(笑)。空也って実際はとても手頃なんですが、予約必至なので高級な気がしちゃいますね。よくよく考えると鯛焼きよりずっと安いけど。空也餅はほんとにあんがきれいで小豆アイスを彷彿させます。俵屋のおはぎ、今の時期にあるとイイですね。わざわざ行かれるならご確認をお奨めします。でも他のお菓子もおいしいですよ♪
Posted by あんころりん at 2008年02月05日 22:58
あんころりんさま、こんにちは。
空也餅、興味津々だけどもうすぐ終わりなんですね〜。残念!
期間限定ものは食べられるか難しい!
そのうち、「東京季節物和菓子一覧」でも作ってそれに合わせて上京しなきゃ?
空也双紙もいいな〜
Posted by いもすけ at 2008年02月06日 06:24
いいねいいね、空也餅。餡の感じがすてきです〜。あの餡から何か念を送られているような気がするのはわたしだけ?
そうか、当日確認してみることもできますよね。今度銀座へ行くときは、ぜひ電話を入れてから出かけることにしようと思います。
Posted by kozue at 2008年02月06日 14:33
ごぶさたしています。
気が付いたら、もうかなりブログを進められていたのでびっくり致しました。

空也さん お恥ずかしながらこの有名なお店をしりませんでした。
あんころりんさんのブログを拝見して、早々、私が持っていた甘辛画譜という本の中にでていました。この店の大正時代には最中が23銭今で換算すると10円だったそうです。東京に行った折には覗いてみます。 それにしても良く、お調べになっておられるには感心いたしました。ありがとうございます。 心から応援いたします。
Posted by フェリークス・イシ at 2008年02月06日 23:04
いもすけさん
そうなの、9日までなんです、来年の楽しみにするとやる気(笑)出るかも。空也双紙はとてもおいしいですから、この目的でも良いのでは?
和菓子は季節ものですから、うまく調製していらしてください。出来れば3回くらい(無理かしら?)
Posted by あんころりん at 2008年02月07日 00:33
kozueさん
生菓子はいつも当日予約にしてます。話では電話がつながらないらしいけど、今のところ空振りしてません。この日も土曜日だったけど朝一OK。
念ね〜。瓢箪の叩く音が聞こえるかも。しかし実際どんなだったんだろう、とは思います。
Posted by あんころりん at 2008年02月07日 00:44
フェリークス・イシさん
それは貴重な本をお持ちですね!しかし10円とは驚きです。今でも十分お安いけれど。
お褒め下さって恐縮です。これからまだまだですが、楽しく史実をたどって想像を広げたいと思っています。ご意見などなどよろしくお願いします。
Posted by あんころりん at 2008年02月07日 00:51
空也双紙は来年のお楽しみにします!
「出来れば年3回」とのことですが、おすすめは何がありますか?
Posted by いもすけ at 2008年02月08日 06:27
ブログ巡り中に立ち寄りました。
応援ポチッ!
Posted by サトシ at 2008年02月08日 21:59
さすが銀座! こだわりのお店があるんですね。

空也の過去記事で話題になった銀座VS日本橋ネタに関連した話で恐縮ですが、銀座の人についての私見です。
仕事の関係で銀座に住んでいる人とお付き合いがありますが、意外と話し方や仕草が下町っぽい方が多いようです。 銀座出身の和泉雅子さんも雑誌のインタビューで「私も銀座の人間!」と下町気質の話し方をされたのを見た記憶があります。
Posted by 笹団子 at 2008年02月09日 21:00
いもすけさん
三回というのは、まあそれくらい、と言うことなんですけど(笑)。ただ、春、桜の季節、夏の涼菓、秋の栗の季節でそれぞれ良いモノがあると思います。これに正月のお菓子が加わると年4回になっちゃいますけど。
通年以外とおすすめとなると割とピンポイント
春の季節限定ならば桜餅(三はし堂、阿佐ヶ谷うさぎや、空也など)草餅(WAGASIまめ、阿佐ヶ谷うさぎや、草月など)草だんご(桃六)、うぐいす餅(松島屋、東海)、苺大福(桃六)など。
夏は源太の水ようかん、むさしやの水わらびなどなど。もし詳しいものが良ければメールしますよ〜。
Posted by あんころりん at 2008年02月10日 23:36
サトシさん
ありがとうございます。

笹団子さん
銀座もいろいろな面があり、面白い町です。私の遠い親戚も古くからの銀座住まいで普通にくらしています。歌舞伎座の三階席も地元の方が浴衣がけで来たりしてイイ感じです。
Posted by あんころりん at 2008年02月10日 23:52
なるほど・・・だいたい3回ぐらいですね。
季節毎で年4回行けたらいいですね〜。
今のところ上京は未定なので、予定が決まりましたら詳しい情報を頂きたいな・・・。
ちなみに前のパソコンが壊れて新しくなったのでアドレスが消えちゃったんです。
もし、良ければまた教えてもらえると嬉しいです。
Posted by いもすけ at 2008年02月12日 07:45
いもすけさん
四季折々が理想的ですよね、でもゆっくり何回かに分けていらしてください。おいでになる際ご連絡下されば、わかる範囲ですが情報提供しますよ♪了解です、今度送りますね、最近pc壊れる人多いなー、わたしも先日OS入れ替えて。
Posted by あんころりん at 2008年02月13日 11:30
あんころりんさん、こんにちは!
夢の空也生菓子化粧箱で興奮冷めやりません!
紙袋、包装紙、掛け紙、掛け紐、熨斗、箱、しおり…
なにもかもかっちょよく、美しく、ガワだけで早くもノックアウト。
箱を開けると6個の収まり様がいとおしく、再度ノックアウト
(ノックアウト2回もしていいのかはこの際無視で)。
味わいについてはもう私なぞの云々するところではないので
(そして長くなるので)割愛いたします。

興奮しつつ、「黄味瓢は崎陽軒のひょうちゃんに似ているなー」
とダメな連想をしてみたり。
瓢箪だからいいのか。

もひとつ、包装紙の空也の「也」の字のキュートっぷりも
あらためてステキだなあと思った次第です。
虫っぽくて。またはライダーっぽくて。

入手方法の細かいご指南ありがとうございました。
おかげさまで胸躍る空也体験ができました。
どうしてこんなに躍らせてくれるんだろー???
例のごとくの長っちり、失礼いたしました〜。
Posted by ぺなぞう at 2008年02月17日 13:38
ぺなぞうさん
祝!無事に初空也生菓子。
あー良かった、喜んで頂けてー。化粧箱、ものすごく数十円のパフォーマンス高いでしょう。一度は目にした方が良きものですよねー。私も初めて見たときは感動しました。あの美しさをさりげなく提供する粋な江戸菓子。うーわかってもらえて良かったー、お奨めして良かったー。私も興奮。
ひょうちゃん!あれ可愛いもんね、瓢箪って注目のアイテムだったのだ!ありがとう教えてくれて。あの文字はさすが、永井素岳ですよね。ああいうの欲しいーってかんじ。
いくらでも長っ尻してってねー。私もすごく嬉しいです。
私の方は清水!見ましたー、最高。ほんとにありがとうございます。心底見て良かった。
梅辰への怒り心頭アゲインですが。
Posted by あんころりん at 2008年02月17日 18:40
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